出版社内容情報
高校二年のけだるい夏休み、同級の少女が次々に殺された。ぼくの親しい子じゃないけれど…。開高健氏絶賛の都会派ユーモア推理
内容説明
圧倒的支持で読書賞を受けた都会派ユーモア推理。第6回サントリーミステリー大賞読者賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねなにょ
23
『夏』というキーワードでサーチして借りた本。古さを差し引いたとしてもミステリーとしては、全く面白くないし、高校生たちがやたらたばこを吸ったり、ビール(コーラも)を飲んだりするのも気になる。登場する女子生徒たちも、想像で描いている感じ。刑事の父も、現実味がない。しかし、この全体的な《かる~い》雰囲気のせいか、主役の春くんのキャラのせいか、「ま、いいか」という気持ちにさせられてしまう不思議な小説。2018/09/04
チガ
16
夏の日、同級生の自殺の真相を、ふたりで探ることになる春と麻子。妙に大人びた高校生達ですね。初版が20年以上前の作品で、作中の喫煙率もとても高いし、未成年の飲酒がまだまだ今ほどうるさくない時代だったのかな。クライマックスはかなりテンポ良く読めたんだけど、それ以外のところはだらだらと読んでいた気がします。2013/11/20
色々甚平
13
(サントリー8)樋口氏のデビュー作。青春ミステリーなのだがハードボイルド調に仕上げてある。ミステリー自体は特別面白いものではないが、全体に流れる当時の空気がひしひしを伝わってくるのが良い。また今と昔のライトミステリーの違いを見られる意味でも良いかも。キャラクター小説になりすぎない所で線引して、夏を異常に美化しない所もいい。プールシーンはあったが大体蒸し暑い日が続いているのを説明的文でなく表現されていた。2016/11/06
ゆき
3
★★★☆☆:ミステリーとしては犯人がわかりやすすぎて驚きはなかったものの、事件の真相を探る春と麻子の掛け合いがとても瑞々しくて好感がもてた。2014/09/03
ちぃ
3
世の中に覚めきったような雰囲気を持つ高校生・春。奥さんがいなくなった家を切り回しながらも、すべて楽々こなしていく様は、いつしか憧れになった。こんなクラスメートが高校のときにいれば 私の人生も変わったかなと。そこに風貌がいけてない刑事の父親、教師とは思えない美貌の村岡先生。 それになんと言っても、ヤクザの娘 麻子さん。 それぞれが十分個性的な中で起こる殺人事件。 青春の言いようのない『青草の香り』だけでも十分だったかな。2011/05/15