内容説明
1920年代後半の英国―エリオットには秘密があった。資産家の子息の替え玉として名門大学で学び、目が見えなくなった「血のつながらない妹」のため、実の兄のふりをして通いつめる日々。そんなエリオットの元に、シグモンド・ヴェルティゴという見目麗しき一人の男が現れる。物憂い眩暈。エレガントな悪徳。高貴な血に潜んでいる病んだ「真実」―精緻な知に彩られた、めくるめく浪漫物語。第2回アガサ・クリスティー賞受賞作。
著者等紹介
中里友香[ナカザトユカ]
アメリカで哲学を専攻。修士中退。2007年『黒十字サナトリウム』で第9回日本SF新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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出版社内容情報
アンドリューという男の替え玉として生きるエリオットは、美しき男シグモンドと出逢い、人知を越えた世界へと……。宿命、因縁、濃い血統。純粋美と精巧知に彩られためくるめく生と死の浪漫物語