出版社内容情報
脳を刺激し興奮の極致へ誘う、バラエティに富んだリドルストーリー「異版 女か虎か」「謎の連続殺人鬼《【謎々/リドル】》」「群れ」「見知らぬカード」「私か【分 身/ドツペルゲンガー】か」の異色の五篇。鬼才の放つ謎に挑め!
内容説明
王女サロメが、FBI女性捜査官が、平凡なサラリーマンが、ドッペルゲンガーを見た男が出会った、恐るべき謎!傑作保証付き新時代の異色作家短篇集。
著者等紹介
山口雅也[ヤマグチマサヤ]
1954年横須賀生まれ。1972年に『ミステリマガジン』にエドワード・D・ホックに関する評論を寄稿し、ライターとしてデビュー。以降も評論活動を続ける傍ら、89年に『生ける屍の死』で作家デビュー。同作は『このミステリーがすごい!』で88年から97年までの10年間のベスト1に選ばれる。95年、『日本殺人事件』で第48回日本推理作家協会賞短編および連作短編集賞を受賞。2002年刊行の『奇偶』は『ミステリが読みたい!』のゼロ年代のベスト・ミステリ・ランキングで3位に輝く。本格ミステリから、SF、ユーモア、冒険、ジュヴナイルなど幅広い作風で、ミステリ史に刻まれる作品を発表し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
66
謎が解明されないリドルストーリーの短編集。古典のアレンジ版である「異版 女か虎か」がイイ。2013/11/10
いちろく
42
紹介していただいた本。リドル・ストーリーの短編集であり、女か虎か、目当てで手に取った一冊。山口雅也訳であるが、アレンジ部分も多くタイトルの通り「異版 女か虎か」である。シュレディンガーの猫のような開けてみるまで解らない選択肢に対して、答えを提示しない謎はフェアといえるのか?という疑問も正直残る。それを踏まえても、読者に考える選択肢を提示したと思えば、腑に落ちる部分もあるから不思議だ。原作が100年以上経過した今も残り、こうして読まれている事が何よりの証と思えてならない。 2017/10/14
林 一歩
29
違う意味でアンフェア。面白いモチーフもあるのだから、きちんとエンディングまで書くべき。ミステリーはそうあるべき…だと思う。2015/10/11
そうたそ
26
★★★☆☆ リドル・ストーリーというものに全くなじみがなかった。読んでなるほど、こういうもののことをいうのかと思ったのだが、やはりどうも結末が気になって仕方がない。ある一編では、結末は書かないけれども、文中に書かれていることからすれば、読者は結末が予想できるはずだ、というミステリ作家山口さんならではのリドル・ストーリーもある。それでもやはりなんとなく予想はできても、明確な結末が提示されないとどうもすっきりしない。話自体はそれなりに面白いが、すっきり感が著しく欠けるということでこのくらいの評価が妥当だろう。2013/12/04
烟々羅
20
2007年刊行の「山口雅也の本格ミステリー・アンソロジー」は、選者・解説役に徹して(わたしの記憶違いでなければ)翻訳した短篇すら収録していないのに、巻末著作リストの21番目に挙がっている。それだけ偏った、独断のアンソロジーだ。ここで山口氏はリドル・ストーリの推理文壇に占める文化を熱く語り、野球の打順で言えば四番の位置に二組四篇のリドルとアンサーを置いた。 それから五年、山口氏が創作者としてリドルストーリを料理した。対比して読むべきだし、山口氏が自分『らしさ』を発揮することに専念してるとわかる2013/06/19