内容説明
阪神大震災で祐一は両親を亡くした。何かを亡くすのは初めてではない。超高校級スプリンターだった彼は二年前に事故で引退を余儀なくされた。走れない脚は亡いも同然だ。だが、ボート仲間のタイ人青年ドゥアンが殺されたことを契機に、凍った祐一の心に火がつく。背後に浮かぶ蛇頭と孤島に住む大物財界人の影。いつしか祐一は第二の脚となった船で大海原に走り出す!骨太で熱い青春海洋冒険サスペンス。
著者等紹介
福田和代[フクダカズヨ]
1967年神戸市生まれ。神戸大学工学部卒。2007年、陸の孤島と化した関西国際空港を舞台にハイジャック犯と警察との攻防を描いた『ヴィズ・ゼロ』(青心社刊)で力強いデビューを飾る。専門知識を活かした取材力と高いリーダビリティが話題となった。また2008年に上梓した長篇第2作、テロリストが起こす未曽有の東京大停電とそれに立ち向かう人々を描いた『TOKYO BLACKOUT』(東京創元社刊)も大好評を博した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっ!chan
37
う~ん、なんだか最後まで物語に入り込めなかった。20年前に何があったかが物語の肝なんだけど、殺人の動機も、主人公の年齢設定とキャラに違和感があったりとか、敵と味方がすぐ入れ替わったりとか、伏線回収が中途半端だったりとか、最後はやけくそ(自分的には)の解決策だったりして...それはそれなりに面白いんだけど、無理やりの青春ストーリー感があって、彼女の作品は結構お気に入りだったんですが、今回は外れでした(上から目線でごめんなさい)。2019/02/07
茉莉花
30
超高校級スプリンターだった祐一は、事故で引退を余儀なくされた。だがボート仲間の死を知った彼は、その背後の蛇頭と大物財界人に迫り、船で大海原に走り出して行く…。骨太で熱い青春海洋冒険サスペンス。2021/03/28
MarsAttacks!
10
このくらいの大きさの事件のほうが、良い作品をかける気がする作家さんです。大風呂敷を広げる感じでなく、事件の巻き込まれた青年の成長物語、良いテンポで読むことが出来ますが、登場人物たち別々の視点で物語の背景を描きますが、全て回収している感じはなくもう少し素材を上手く料理してくれればと思う作品でした。2015/10/25
高橋 (犬塚)裕道
9
星4。読み応え充分!面白かった。青春海洋冒険譚、骨太です。スケールの大きな成長譚であり、優しい男たちの話でもある。2021/07/05
ふう
7
キャラが弱くてスケールも小さい印象。読み終えて消化不良感あり。意外と文字がデカくて、こうでもしないと厚み(内容&見た目)が出ないのかと勘ぐってしまうw 出てくる男どもにアツさも骨太さも感じなかったしなあ。阪神・淡路大震災後って設定もいまいち活かされてないし…うーん。登場人物がというより作者が船(と拳銃?)が好きだってことはわかったw 2009/04/26