内容説明
ある日、わたしの分身が現われた。わたしに何の断わりもなく、世界はわたしの居場所を奪った。それでもわたしが「ふざけんな」って言わないのは、あらかじめ、みんなを赦してるから―。『凹村戦争』の西島大介による、書き下ろし長篇コミック全2巻。すべての人におくる果てしない“赦し”の物語、ここに開幕。
著者等紹介
西島大介[ニシジマダイスケ]
1974年生まれ。漫画家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マウリツィウス
15
【西島大輔SF論展開】古典SF設立を果たしたウェルズ『宇宙戦争』実際前提、カフカのSF化が必然の流れを理解した西島氏は現代思想見地に導入した錯誤論を実現させていく。古典派=文学と直観洞察認識した原典とも称せ、「ポスト・エヴァ」と呼称した幻想区域を未知のものと規定する引用借用模作群を否定し真実継承者を自称した作家は岡崎京子の踏襲を試み引用二重作用が構築した美学=卓越見解の実際化が導き出した苦渋が結実する意味を生じさせた。つまり三次元作品における文学模倣の不毛化を再認識させたジャンル基準提示者は襲撃クローン。2013/05/27
kanon
8
元々Jコレクションと言うレーベルが自分の中で小説と言うイメージが強いと言うのもあるのだが、普通に本を読んでいる様な感覚に陥った。勿論読むスピードは段違いなのだが。正直この作品が何を言わんとしているのか理解出来ていないが、まだ二巻は読んでいないからこの作品のことを理解出来ない…と言うワケでは無い様な気がする。だから単純に今は、SF的面白さ、物語を楽しもうとしている。ドッペルゲンガーって題材はよくあるものだし…新鮮味は余り無いが、西島節が心地良いのだ。字だけのコマでさえ、何だかテンポがよくてすらーっと読める。2014/09/20
多田幾多
6
分身が現れる?自分が現れる?分身が消える?自分が消える? そしてすべてが現れた。 何が?何か。2013/05/15
kujira
4
「SF」の定義ってよくわかんないけど、そうかこれもSFか。全てを受け入れる寛容さは裏を返せば全てを否定する頑さと全てが「どーでもいい」というあきらめで、それが「ゼロ年代」だなあとしみじみ思う。2009/08/31
モリー・ブラウン
3
西島作品は結局、詩集なんだな。だから惹かれるんだけど。2013/01/13