内容説明
究極の管理社会となった未来で、暴力を求めてやまない人間の本能的欲求を満たすために作り出されたスポーツ、ローラーボール。骨を軋ませぶつかり合う肉体、飛び散る血しぶき。血に飢えた観客のエスカレートする要求に、ルールは次々と改変されてゲームは過激さを増していった。その花形プレイヤーの悩める姿を描き、二度にわたって映画化された表題作他、斬新な想像力を駆使して描かれた作品12篇を収録する傑作短篇集。
著者等紹介
ハリスン,ウィリアム[ハリスン,ウィリアム][Harrison,William]
1933年テキサス州ダラスに生まれる。テキサス・クリスチャン大学を卒業後、ヴァンダービルド神学校に進み修士号を取得。1963年に短篇小説で作家デビュー、1965年に処女長篇The Theologianを発表
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感想・レビュー
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くさてる
12
短編集。SFから純文学ぽいものまで幅広い内容で、しっかり読ませる内容でした。ディストピアでの娯楽を描いて救いのない表題作、炎とそこからの救出劇に憑かれた消防士を描いた「よろこびの炎」、好色な鉛管工のたどる思わぬ運命が、奇妙な味というにはもっと不気味で陰惨で、暗い歓びに満ちている「床の下」などが印象に残りました。2019/10/19
hroko
1
仕事に憑かれた男の独白形式な短編を集めたような感じです。仕事や日常に没頭しているうちに、非現実的な観想を経て、異常な状態に移行していくのですが、1960年後半から1970年代の作品が、古く感じないくらいに普遍的な内容です。目新しさはないけど、読んで損はしない短編集でした。2014/08/11
丰
0
20020415