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文学の世界 - 詩と出会う詩と生きる

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  • サイズ A5判/ページ数 175p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784149109701
  • NDC分類 911.04
  • Cコード C9492

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ🍀

139
昔の歌人たちは生涯を通して、花に鳥に風に月に言葉を送り届けようとした。色、香り、律動、響き、あるいは形、沈黙という姿。詩心。コトバの旅路で人に出会い、未知なる歴史、風景や食に触れながら感覚が磨かれてゆく。心の在り方によって、色のない形のないものも、愛しみに喜びに変わる。無音の叫びが心底から響くとき、美感の花が綻び、切実な詩情は紡がれてゆく。詩と出会い、詩と生きようと思う。ゆく道には常に悲しい雨が降るかもしれない。誰しもが雲の切れ間から差し込む潤いを待ちわびている。花散りて後に、葉落ちて後に、春陽の期近し。2022/07/02

しょうじ@創作「熾火」執筆中。

31
【1回目】濃密な時間を過ごさせてもらった。若松さんのご著作は、これで数冊めだが、現時点での集大成とか到達点であると言ってもいいのではないか。詩という「コトバ」(「言語」ではなく)がいのちの深みに達し、永遠に連なるものであることを、13人+αの詩作者を紹介しつつ、諄々と説いていく。哲学と文学や詩、宗教(あるいは、宗教「性」)は、近代人が考えているほどに分かれているものではなく、むしろ近接していることを述べているのではなかろうか。この本は、「マスター」したいと思う。2018/07/07

かつみす

14
短いけれど内容はとても濃い。春に読んだ『言葉の贈り物』の若松さんのお仕事。中也やリルケなど高名な詩人も扱うけれど、神谷美恵子や須賀敦子など、詩を書くことを本業としない人を多く取り上げる。詩の言葉の背後にある、言葉にできない〈コトバ〉への注目。宗教心という確固とした形をとらない〈霊性〉を作品に見出そうとする態度。技術的な巧拙や他人の評価とは関わりないところで生まれ出る言葉の重み。科学や経済ばかりが重んじられる時代に、目に見えず数字で捉えられないものの大切さを説き、詩を読むだけでなく書くことへと誘ってくれる。2018/06/19

Tenouji

13
言葉との出会いについて、考えるきっかけに。2018/03/31

ミー子

10
すごい、素晴らしい本。これまでの人生で出会ってよかった本のナンバー3以内には入る。まず正岡子規の写実のことは初めて知ったが、とても勉強になった。それから、自分の心の中の詩情について、コトバ(言葉ではなく、世界にうごめく意味そのもの)について、詩作のこと。永遠や実存について。立ち上がってくる詩情を、静謐のうちに心で受け止めること。自分の心のこととして深く実感しながら、読み通した。 それから、舌と唇で点字を読むという壮絶な舌読のことを知り、茫然となって色々思った。2018/02/21

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