NHKブックス
歌舞伎の中の日本

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  • サイズ B6判/ページ数 242p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140911532
  • NDC分類 774
  • Cコード C1374

内容説明

歌舞伎はどんな芸能で、どのように鑑賞すればよいのか?『忠臣蔵』『四谷怪談』など主要な十演目を年代順に取り上げ、成立した時代背景や見どころ、作劇法などを論じるほか、歌舞伎の重要な要素である「舞踊」についても詳しく解説し、総合芸術である歌舞伎の実体を立体的に浮かび上がらせる。江戸の世相や民意を反映して歌舞伎が発展した様を追いつつ、作品の底に流れる日本人のメンタリティーにまで鋭く迫る。歌舞伎の研究・台本作りにも携わった経験をもつ著者が、歌舞伎の真髄を綴った、格好の入門書。

目次

第1章 お約束のヒーロー登場―『暫』
第2章 光源氏の末裔―『廓文章』
第3章 身替わり劇のメカニズム―『菅原伝授手習鑑(寺子屋)』
第4章 人間を省みる動物ファンタジー―『義経千本桜(四ノ切)』
第5章 あなたは本当の「忠臣蔵」をご存知ですか?―『仮名手本忠臣蔵』
第6章 任侠の原点―『夏祭浪花鑑』
第7章 道具によるモンタージュ―『楼門五三桐(山門)』
第8章 メルヘン舞踊の粋―『積恋雪関扉』
第9章 和製ホラーの女王―『東海道四谷怪談』
第10章 幕末版「俺たちに明日はない」―『三人吉三廓初買』

著者等紹介

松井今朝子[マツイケサコ]
1953年京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科演劇学修士課程修了。松竹株式会社に入社し、歌舞伎の企画・制作に携わる。退社後フリーとなり、故・武智鉄二に師事して歌舞伎の脚色・演出・評論などを手がける。97年『東洲しゃらくさし』(PHP研究所)で小説家としてデビュー。同年『仲蔵狂乱』(講談社)で第8回時代小説大賞を受賞。2007年『吉原手引草』(幻冬舎)で第137回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

氷柱

5
653作目。12月17日のみ。あとがきにあったことで知ったのだがこの作者さんの職業は小説家である。実際に調べてみると多作家であることを知りさらに驚いた。小説畑の人がよくぞここまでの内容をまとめられたものだと驚倒した。論述的ではないにせよ、歌舞伎について細かく、そして専門的に踏み込まれた一作。まるで大学の教授の講義を聴いているかのような気持ちになる。その分少しお堅い部分はあったが、歌舞伎の解説書を何冊か通っている身としては丁度良い具合であった。小説の作品も是非読んでみたくなった。2020/12/17

鬼山とんぼ

1
歌舞伎座のそばに住んでいるが恥ずかしながら歌舞伎をしっかり見たのは「四谷怪談」一度だけ。松井作品は全巻読破目指して手にしたが、題名だけを知る演目で蘊蓄を語られても基礎知識が乏しいため理解が及ばなかったのは残念だった。それでも仮名手本忠臣蔵が我々の知る忠臣蔵とは別物だとか、浄瑠璃と歌舞伎の相互関係とか、最小限知っておくべき知識は得られたので、一応の収穫はあったと思う。「積恋雪関扉」が今度上演される際にはぜひ見に行ってみたいと思っている。2019/07/02

やま

1
文学史のプリント作成中2013/11/22

kokekko

1
「歌舞伎の中の日本」うんぬんというタイトルに応えるような内容ではなく、図版を載せた『歌舞伎入門』です。自分が求めていたのはこちらなので満足。でも専門的に歌舞伎を研究するのなら、眉唾な部分も多々あります。特に西洋の芸術・演劇との一方的な比較。「西洋ならこうなるのに」ではなく、「なぜ、日本ではこうならなかったのか?」を論じてくれればもっと面白いのに。2011/12/10

わたがしはかせ

1
★★★☆☆ 広く浅く歌舞伎の歴史と見所を紹介していて、入門書にとてもよい。1700年代に既に大掛かりな回り舞台が発明されていたり、團十郎の襲名が現在まで繋がっていたりと、歴史ロマン溢れる分野であることがよくわかった。2011/10/25

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