内容説明
日本中が真珠湾攻撃の勝利に沸き返る中、指導者たちが下した驚くべき“決定”とは?太平洋戦争のターニングポイントに迫る。
目次
果てしなき戦線拡大の悲劇(南方の資源;大本営政府連絡会議の招集;対立する陸海軍の主張;決断力を欠いた戦争方針の策定;ボールは再び連絡会議へ;絡み合う経済界の利権構造;混乱する戦時体制;ミッドウェー海戦の山本五十六の真意;戦場に残された兵士たちの証言)
解説 なぜ、戦争を終わらせることができなかったのか―戦争指導・利権・セクショナリズム(泥縄式の戦争指導とふたつの軍隊;“大綱”という名の無方針とリーダーシップの不在;南方占領地域と大東亜共栄圏の実態;“名将”山本五十六の虚実)
なぜ、戦線は拡大したのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
18
日本が緒戦の連勝に酔う1942年3月に作られた「今後採るべき戦争指導の大綱」に焦点を当て、その陸海軍の両論併記、つまりバラバラな戦争方針が、その後の展開を招いたという視点で構成されている。開戦の時点で最終的に日本がアメリカに勝てると思っていた者は皆無という政府や軍の首脳が、東条英機に代表される平時の官僚的折衷で決断せずにずるずると戦争を続ける様子が記されるが、そもそも終わりの見通しのない戦争を始めたことが致命的だった印象。ドイツへの「他力本願」など、ほぼ標準的な理解だが、相澤淳の山本五十六論は面白かった。2018/02/14
白義
16
シリーズ最終作の本巻では、あの戦争へ「向かった後」いかに泥沼化したかがテーマ。特に「戦争指導の大綱」という文書の解読から陸海軍の相剋をより具体的に肉付けしたインタビューが多い。占領地での企業と軍部の癒着、山本五十六名将論への懐疑など番組自体は短かった分文章の補足が豊かで一通りテレビで見ていても新鮮に読める。セクト争いによる決断、リーダーシップの機能不全というこれまでの印象が戦中にも懲りずに根を張っているのが見て取れる。ちょっとチーフプロデューサーのあとがきがくどいがより繊細な戦中観を得られる良書であった2016/01/24
不羈
15
日中戦争から太平洋戦争までの日本のカジ取りした人たちの、何と官僚的でセクショナリズムで頭でっかちで(・・・云えばキリがない。)あることか!! 戦争へ突き進んだwhyを紐解きたければ、このNHKスペシャル『日本人はなぜ戦争へと向かったのか(上/下/戦中編)』を一度は読むべき。 2013/10/26
メロン泥棒
5
占領地における利権を企業に与えることにより、軍人が天下り先を確保するという構造、さらには海軍と陸軍の利権争いなどの話が面白かった。当然そういう事はあっただろうなと思いつつも、あの戦争中ですら利権と天下りが重要だったのかと思うとちょっと目眩を覚える。2012/02/20
まおまお
3
総括①リーダーの機能不全②セクショナリズム③危機管理意識の欠如2015/08/10
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