内容説明
若き日、被爆の後遺症の苦しみ、絵画での行き詰まりを克服する契機となったのは、突然脳裏に浮かんだ玄奘の苦難の旅のイメージであった。四十年後、命の恩人に捧げる大壁画が完成した。ここに至る過程を、“詩人”と評される軽妙な文章で綴る。
目次
第１部 玄奘三蔵との出会い（画家への道程；「仏教伝来」にいたる道；シルクロードと日本）
第２部 「大唐西域壁画」への旅（不東・長安を出でて；嘉峪関そして憧れの地、敦煌へ；高昌故城、まぼろしの楼蘭；バーミアン石窟；祈りの大地インドへ；新たなる旅立ち）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
びっぐすとん
2
シルクロードの作品もある日本画の平山画伯のシルクロード紀行文。40年にわたり何度も現地を訪ねて作品を描いた氏のシルクロードへの熱い思いが伝わってくる。広島で被爆し原爆症におびえながら玄奘の信念に共鳴しシルクロードに引き込まれ、現地の遺跡の保護活動までされた平山氏の「自然美には興味がない。たとえ砂と石ころばかりでも人の歴史を感じるところを絵に描きたいと思う」という意見にハッとした。私は絵は描けないけど、シルクロードにこんなに興味を持つのは荒涼とした砂の中に無数の人の歴史があるからなのか、と思い至った。2016/07/11
ぽぽなみ
0
平山郁夫美術館へ訪問し、興味を持ったため手に取った本。シルクロードにかける熱意や文化財保護活動など、感動させられた。2020/11/04
