内容説明
中国とパキスタンを画するパミールの大山塊。はるかな終着地ローマを目指すシルクロード西進の旅は、パミール山中のクンジェラブ峠から始まった。仏像誕生の地ガンダーラ、アフガニスタンとの国境カイバル峠、そして灼熱の大地インドへ。仏教の縁に結ばれたブッダガヤ、ナーランダ、ベナレス、サルナートで釈尊、玄奘を偲び、ヒマラヤ奥地に取り残された幻の仏教王国ラダックへと飛ぶ。陳舜臣・樋口隆康氏が豊かな学識と文藻を駆使して語る文明紀行と、取材班の臨場感あふれる現地レポートで綴る。
目次
信仰の道
取材記 パミールを越えて
取材記 覇王の道
取材記 玄奘三蔵・天竺の旅
取材記 秘境ラダックへ
ガンダーラの美術
感想・レビュー
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恒々
2
三蔵法師がたどった道。現代はカラコルムハイウェイが繋ぎ、中印パの紛争エリアでもあるだろう。googlemaps片手でも迷子になりつつ読む。ブッダガヤやバラナシ等の仏教拠点を回って仏教の祖をしれるほか、ラダックやスリナガルなどカシミール地方の知らなった都市が非常に魅力的である。西にはペシャワールやカイバル峠があって、戦闘部族パターン族の存在やアレキサンダー大王の東征エピソードなど、徐々にアラブ・欧州の気配が出てくるあたりが非常に面白い。パミール麓は本当に文明の交差点であると感じる。2021/07/26