遺体科学の挑戦

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  • サイズ A5判/ページ数 209p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784130633284
  • NDC分類 481.1
  • Cコード C1045

出版社内容情報

動物たちの遺体に問いかける――おまえの身体に隠されている進化の謎はなんだ? ネズミからゾウまで,〈無制限無目的〉収集から始まる遺体科学は,遺体に第二の〈生命〉を吹き込み,そこから限りない知を引き出していく.新たな知を創造するサイエンスの現場からの熱いメッセージ.遺体は全人類の財産だ!

内容説明

遺体に“第2の生命”を吹き込み、限りない知を引き出してゆく遺体科学。新たな知を創造するサイエンスの現場からの熱いメッセージ。

目次

第1章 死を受け止める人々
第2章 遺体科学の日々
第3章 遺体科学の理念
第4章 パンダが遺した知
第5章 引き継がれる遺体
第6章 遺体は誰のものか

著者等紹介

遠藤秀紀[エンドウヒデキ]
1965年東京都に生まれる。1991年東京大学農学部卒業。国立化学博物館動物研究部研究官を経て、京都大学霊長類研究所教授、獣医学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tsukasa Fukunaga

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遺体から知を引き出す、また遺体そのものを後世へと語り継ぐ「遺体科学」についての本。カリキュラムの1つに成り下がった「解剖学」とは異なり、遺体とそれに関わる人々全てを幸せにするために、時に辛辣な言葉を用いながらも極めて情熱的に「遺体科学」を提唱していく。自身のパンダやツパイの研究も交えており、研究の現場についてもよくわかる。「文化としての遺体継承」を語る際の、「イスラエルから来た研究者が過去50年の東京のネズミの遺体を調べる」エピソードは非常に印象的だった。分子生物学者は、一度読むと価値観は変わるかも。2014/03/29

krr

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遺体科学という言葉を初めて聞いた。解剖、標本の収集や、それによって発展に貢献したいという著者の熱意が文章から滲み出ている。パンダの手における「第七の指」の発見のエピソードなど、門外漢でも想像しやすく噛み砕いて書かれている。第六の指が人間の親指のようにある程度動くものだと思っていたが違うらしい。第六・七の指といくつかの筋肉で、折り曲げた人差し指~小指との間に竹を挟み、やっと安定して「握る」ことを可能にしているそう。確かに指四本(面)に対して支えるのが第六指(点)だと、安定して握りにくいか。2013/12/21

たけのこ

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無制限に標本を収集し、見つめ続けることにこそ価値がある、という姿勢がよくわかった。受益者負担の仕組みでは遺体科学は停滞してしまう (それでも自分は続ける) というところが一貫している。パンダの手の骨、ツパイの分布の話は図が欲しかったかも…。(なんでつけなかったんだろう?専門書みたいになってしまうから?)2020/06/06

gachin

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現代の博物館・比較解剖学の必ずしも満足できない現状を熱い言葉で訴えかけている。その真摯で情熱的な様に、襟を正される思いである。

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