出版社内容情報
了潤が主命により張り込んでいた男が、一心不乱に書き上げた手記には「秘めおくべし」の表書きが……。手記を奪おうとする二人の侍や毒矢を用いて彼らを襲う正体不明の隠密。そして、町奉行所同心の変死体……。謎が謎を呼び、男の手記にあったという「蝦夷地ニ、草アリ、イシヤマに、砦アリ」の文言に誘われるように、了潤たち忍び組は蝦夷地へと旅立つ。文庫書き下ろし。
浮穴みみ[ウキアナミミ]
著・文・その他
内容説明
了潤が主命により張り込んでいた男が、一心不乱に書き上げた手記には「秘めおくべし」の表書きが…。手記を奪おうとする二人の侍や毒矢を用いて彼らを襲う正体不明の隠密。さらに、町奉行所同心の変死体が発見されて…。謎を呼ぶ男の手記に誘われるように、了潤たち忍び組は蝦夷地へと旅立つ。
著者等紹介
浮穴みみ[ウキアナミミ]
1968年北海道旭川市生まれ。千葉大学文学部文学科仏文専攻卒業。2008年、「寿限無 幼童手跡指南・吉井数馬」で第30回小説推理新人賞受賞。09年、受賞作を収録した連作短篇集『吉井堂謎解き暦 姫の竹、月の章』を上梓する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
28
シリーズ2作目。1作目の了潤の冷たく儚げな雰囲気が薄らいでいる。松浦武四郎を見張る役目から「秘めおくべ」き事柄を探るために了潤一行は蝦夷に渡る。松浦武四郎について書かれた『がいなもん(河治和香)』を思い出しながら読んだので懐かしかった。出生時の謎のせいなのか死体に懐かしさと愛着を感じてきた了潤が生身の女に恋をし、失恋もする…少しずつ人間らしくなってきたのかもしれない。次巻があるとしたら舞台は長崎になるのかな。魅力的なキャラの秘密を生かし切れていないようなもどかしさはあるが、そういう点も嫌いではない。2019/04/02
むつこ
25
前作から4年後のシリーズ2作目。いっきに話しが大きくなった、蝦夷へのお仕事。江戸時代の北海道なんてとんでもなく寒かったのでは?と、全然違う印象を持って読む。どこの国でも現地で住む者を軽く見過ぎ、アイヌ人のレラが素敵。まだ読みにくい文章があるけれど展開と発想が面白いので我慢できる範疇かな。続編、早く読みたい。2019/04/19
to boy
24
初めての作家さんですが読みやすくて楽しめました。医者に身を隠す忍者が主の命により蝦夷地に。そこではアイヌを搾取する和人たちあの姿が。江戸末期、蝦夷を無主の地として開拓しようとする幕府、松前藩とアイヌを助けようとする人たちとの間に巻き込まれる主人公。さらっと読める書き方ですが内容には重たいものが潜んでいるように思いました。2018/08/13
onasu
11
初編より4年後。了潤を頭とした「忍び組」は、未だ大名家の世子のまま(40を越えているのに!)の主から、ある男の身辺を探るよう命じられた。 その男とは、江戸後期、何度も蝦夷地に渡り、その事情に通じていた「松浦武四郎」。当時、ロシアを始めとした列強から目をつけられた蝦夷地は、幕府、雄藩からも注目され、松前家では神経を尖らせて武四郎の動向を見張っていたが、そこに了潤ら忍び組も一枚加わり、蝦夷地にも渡ることに。 ストーリーもさることながら、「秘めおくべし」としたタイトル、秀逸でした。2022/12/07
bvbo
3
シリーズ2作目?前作を読んだのがだいぶ前なので、内容はなんとなくで…。謎を呼ぶ男の手記に誘われるように了潤たち忍び組は蝦夷地へと旅立つ…松浦武四郎登場。アイヌも出てきて、考えさせられるところもあったが、忍びの旅にしても、だいぶ楽そうだなと思ってしまった。 2019/05/31