感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春
8
大正生まれの著者の、世界中の動物たちとの見聞録。食人をする部族での洗礼、八ヶ岳の尾根でのイモリの惚れ薬、など国内外問わずのちょっと恐ろしくも面白い体験談をとても楽しく読めます。戦後まもなく書かれたらしく、ところどころに現代の表現や感性とは異なるような記述も興味深い。自然賛美にならない、人間らしくわがままな文が好ましい。毒舌でカラッとした章が多い中で、「クロツグミの歌」はなんとも言えない気持ちになった。長新太さんの挿絵もすてき。2022/03/26
