感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kochi
16
バーンズビル、別名ポイズンビルの依頼人に呼ばれた私は、到着早々、殺人事件に巻き込まれる。土地を牛耳る暗黒街の顔役たちは疑心暗鬼に陥り、やがて凄惨な惨劇の幕が開ける。主人公が顔役たちの対立を煽り、自身も銃をぶっ放しながらも土地の平穏を取り戻すという、これってまるで、『椿三十郎』や『用心棒』の世界!と思ったら、黒沢本人もハメットのアイデアを使っていることを認めていたらしい。ディナーに焼きそばだったり、そば粉のケーキとか登場する訳もなかなか楽しいし、流血の物語でありながら、ラストの一文に脱力するかも。2020/06/30