中公新書
日本と中国―相互誤解の構造

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  • サイズ 新書判/ページ数 242p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121019660
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C1236

出版社内容情報

同じ文字を用いながら、両国が誤解を繰り返す原因はどこにあるのか。滞日30年の比較文化研究者が両国の独自性に着目して考察。

内容説明

中国文化に学び、輸入した漢字に国字、平仮名・片仮名まで加えて表現の幅を広げた日本。日本製品を使い、マンガ、アニメに親しんで、「萌え」「かわいい」を輸入する中国。両国の交流は進み、相互理解は深まっているように見えるが、「同文同種」の底にあるのは実は相互誤解ではないのか。季語・季題、四字熟語、謝罪会見、熟年離婚―。両国の言葉と文化の類似性と独自性を歴史的に検証し、相互理解への道を探る。

目次

第1章 漢字と国字―「漢字文化」体験から教えられるもの(漢字を楽しむ文化;「同文同種」の疑問;国字を創らせた日本文化の独自性;戦前の中国人留学生と翻訳革命;「仮名」文化と漢字文化;「詫び」「寂び」にぴったりの外国語は;一輪挿しの啓発)
第2章 謝罪もマニュアル必要―「寛容文化」体験から教えられるもの(犯人に「ありがとう」と感謝した警察側;何を詫びるかが問題)
第3章 「話せばわかる」のか―表現形式から教えられるもの(大事なことほど以心伝心ですます文化;おとなしい修飾表現の日本語;日本語と中国語を比べれば;憤りも悲しみも喜びも無言)
第4章 言葉にも季節がある―自然体験から教えられるもの(季語との出会い;自然への気配り;季節の習慣化と魯迅の手紙;古代にさかのぼるほど、中国でも「季語」意識;自然に求める生命観・感性が本性の日本文化)
第5章 未完成の課題―日本研究の先駆者に教えられるもの(中国人先駆者の提言;代表的な三つの模索)

著者等紹介

王敏[ワンミン]
1954年、中国・河北省承徳市に生まれる。大連外国語学院日本語学部卒業、四川外国語学院大学院修了。文化大革命後、大学教員から選出の日本国費留学生として宮城教育大学で学ぶ。現在、法政大学国際日本学研究所教授。河南省対外人民友好協会顧問、上海同済大学客員教授。また、総理懇談会委員(国際文化外交推進)、国際文化交流推進会議有識者会合委員、国土交通省文化観光懇談会委員。国際交流基金日本語教育懇談会委員、日本ペンクラブ国際委員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おらひらお

5
2008年初版。お互い似たところが多く、互いに理解していると思っている日中両国ですが、実は全く異なることが紹介されています。もともと違うものとして接し、理解を深めていけばそんなにもめることもないと思うのですが・・・。2015/01/06

takao

2
ふむ2023/11/26

しょ~や

2
中国人から見た日本という視点を興味深く読んだ。他国との相互理解も難しいが、そもそも日本人ってどういう気質の人種なんだろうか。、それは何に起因するんだろうか等々新たな疑問を感じながら読んだ。2017/10/08

satochan

1
同じ漢字圏でも漢字の扱いが確かに中国と日本では違う。中国人から見た日本は、日本人が気づいていない日本だったりする。謝罪の仕方とか、そういう視点から見たことがなかったので、新たな発見がたくさんあった。中国にいたことがあるので、なんとなく違いはわかったつもりになっていたが、まだまだ気づいていないことがたくさんある。あと、本書でも『菊と刀』が出てきた。文化の違いを書いている本には必ず出てくる。やはり一度読んでみたほうがよさそうだと思った。2020/12/31

mif61005

1
歴史的考察の比重が大きいように感じた。視点が面白い。2011/08/30

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