内容説明
「革命いまだ成らず」を遺訓とし、1925年、孫文は革命に捧げた波乱の生涯を終え、完成を民衆に託した。辛亥革命は清朝を倒し専制政治に終止府を打ったが、中華民国は反動的な袁世凱に奪われ、その後は軍閥混戦が続いた。孫文は共和制の定着のため軍閥と戦い、真の自由と平等を獲得した民主国家の建設を目ざした。本書は孫文の革命運動や彼の新生中国の建設計画を考察し、生涯を追ってこの偉人の実像に迫ろうとするものである。
目次
1 「革命いまだ成らず」(政治遺嘱;孫文が目指したもの)
2 「合衆政府の創立」を(孫文の生い立ち;ハワイ興中会の設立;武装蜂起から亡命へ)
3 革命運動の進展(百日維新と義和団事変;中国人留学生の急進化;中国革命同盟会の結成;国外退去)
4 辛亥革命(清朝の延命策;武昌新軍の蜂起;中華民国の誕生)
5 共和国の苦悩(袁世凱の野望;軍閥混戦;五四運動と孫文)
6 中国国民党第一回全国代表大会(国共合作;新三民主義;黄埔軍官学校の設立)
7 孫文の国家建設計画(五権分立の憲法;地方自治の徹底;壮大な国土開発計画;土地改革)
8 孫文北上(日本訪問;帝国主義反対;講演、大アジア主義;北京入り)
感想・レビュー
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(ま)
1
三民主義、国民の四権で国の五権を制御する 孫文の理想の足を大きく引っ張ったのは・・・2023/11/05
富士さん
0
孫文の人生と新国家プランについて解説された一冊。ジャッキー・チェンの映画を見たあとだったのでより興味深く読みました。しかし、一番気になったのは、命を失い、財産を失っても孫文に掛け続けた日本人たちです。彼らの蒔いた種をうまく育てたならば、ひょっとすると日本は新しい中国に圧倒的なソフトパワーを持ち得たかもしれません。そうなっていれば、日本が払うべきコストもずっと小さなものになったにのではないでしょうか。安直な仮定ですが、短慮にハードパワーにすがった結果が今のコストを生んでいるような気がしてなりませんでした。2013/04/22
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