感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
36
ニューギニア関連書。1970年代の日本の精神医学の方向性に疑問をもった著者が分裂病(当時の表現のまま)は患者と社会の緊張状態や文化的背景に大きく関係すると発想し、当時はまだ西洋文明と出会ったばかりのニューギニアの精神医療を視察した記録。伝統的な生活と西洋文明とのギャップに関係するもの、部族内での価値観によるもの(呪いなど)などの症例と村落の機能分析は興味深い。またその合間に描かれる村落の生活や部族間の戦争勃発、生活の変化など社会状況を知れたことは大収穫でした。ニューギニアの「人」と「心」を感じた一冊。 ⇒2022/05/07
takao
3
ふむ2024/06/05
脂肪分
0
要点:「ヨーロッパの精神医学」は「ヨーロッパの精神」のためのものなので、「ヨーロッパ以外の精神」には効かない。2010/11/28
オドラデク
0
現地の自我と近代文明との軋轢が分裂病を生むのだな。結局、社会と自我のコミュニケーションの問題か。2010/06/23