出版社内容情報
信長の勘気を被り殺された帰蝶。その死を哀しみ、幾重にも重なる影が信長へ襲い掛かる。歴史巨編、堂々完結!
内容説明
帰蝶は本当に殺されてしまったのか?信長に迫る謎の美女「ドナ・ビボラ」の正体とは?いま、本能寺で全ての謎が明かされる―。
著者等紹介
宮本昌孝[ミヤモトマサタカ]
1955年、静岡県生まれ。日本大学芸術学部卒業。手塚プロ勤務などを経て、執筆活動に専念。95年『剣豪将軍義輝』で一躍脚光を浴び、以降、歴史時代小説の第一線で活躍している。2015年『乱丸』で第4回歴史時代作家クラブ賞作品賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sayan
35
上巻後半から存在感を増していた光秀と秀吉は、下巻でますます強くなる。それは、史実と創作を違和感なく両立させた筆者の構成力を通じ、一般的な両者評価とは異なった視点で描かれ、魅力的でもあった。ドナ・ビボラ、タイトルでもある謎めいた「名詞」は、下巻物語中間から一気に明らかになる。ところが、単なる謎解きに終わらない本書の展開が、最後まで読者を惹きつけ続ける。昼ドラかと想像したが下巻途中からもはや黒澤映画の「乱」の登場人物が頭の中で演じだす、レベル…。そして本書のラストシーン、鳥肌が立つと表現する以外、言葉がない。2019/10/05
aloha0307
28
信長による非業により亡くなったその正妻:帰蝶(濃姫 生没年不詳 資料皆無で生涯は全く不明 昭和40年の大河”国盗り物語”では松坂慶子さんが演じた)の代わりに現れたドナ・ビボラの正体は最後の最後まで分からなかった。主役が明智光秀に移り、いまの大河と併せると興味↑です☺(筋立ては全く異なるでしょうが) 大胆な発想と精緻な技法が冴えわたる佳品です(but本能寺の変以降がちょっと淡白な感あり)。2020/05/17
はる
26
いきなり帰蝶がいなくなってビックリ!でも、それを上回る位信長の残忍さにビックリ。今まで光秀がなぜ謀反を起こしたのかあまり気にならなくてただ信長のやり方とかが気にいらなかったのか位でしたが、こう言う事情があるのならばさもありなんって感じです。最後の最後に光秀の息子と帰蝶の息子が出てきた時は流石に痺れました。2017/02/03
Aki
22
本作も堪能した。上巻から少し間を置いての読了だったが、また一からスタートの如く濃密な物語が紡がれる。徹底して明智十兵衛側から描かれる戦乱の世は新鮮。ラストの伝奇色濃い幕切れも爽やかですらある。岩村城のくだりが触れられているのも個人的には良かった。前作乱丸も素晴らしかったが本書も傑作。2017/04/17
みやしん
17
ドナビボラ編だけどなんとなく中盤まで読み流してしまった。おそらくは本能寺の変・帰蝶黒幕説に端を発する新解釈歴史活劇。とにもかくにもたった数ページでしかない信長の葬儀のシーンが圧巻痛快。蝶紋の着物が鮮やかな小道具。2017/02/03




