出版社内容情報
イケてない40代女子が、かわいい古民家にひと目惚れ。おむすびカフェ開業を目指すも、ドタバタ騒動に。初の書き下ろし長編小説。
内容説明
イケてない40代シングル女子が、かわいい古民家にひと目惚れ。おむすびカフェ開業を目指して一念発起!大家の風変わりな老女と娘、不動産業者との駆け引き、頼りない行政書士や助っ人の旧友をも巻き込みドタバタ騒動。
著者等紹介
岸本葉子[キシモトヨウコ]
1961年鎌倉市生まれ。東京大学教養学部卒業。エッセイスト。会社勤務を経て、中国北京に留学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
七色一味
128
読破。主人公と老婆。ひょんなことから出会ったのがきっかけで、それがどう転がってタイトルの『カフェ、はじめます』に繋がるのか、という物語。わかるかな?「カフェ」はでも「かふぇ」じゃないんかい、とちょっと思ったりして(笑)☆これまたそれが成功するまでの話ではなく、「1年くらいで夜逃げしちゃうかもしれない」感じの終わり方。ラストが印象的でした。ただ、他になにか「ウリ」があるかというと、どうだろう。情緒的には満足できますが。2017/01/26
モルク
115
44才の独身女性いさみ。近所の古く可愛い家を借り、土日のみしかも12~16時のみ営業というおにぎりカフェをオープンする。資金は兄からの相続50万。計画性もなく、行き当たりばったり。おにぎり2個と糠漬、急須の番茶のセットのみで900円。う~ん高い!昭和の売りだと番茶は無料で出されるものという感覚だし…集客と採算をとるのは難しいんじゃないかと推察する。そして主たる職場は副業OKなのかなど突っ込みどころは沢山あるが、大家さん親子、旧友など多くの人の助けを借りて前に進んでいこうとする姿は夢がある。2018/04/25
きんぎょっち
88
なるほど、「カフェ、はじめました」じゃなくて「はじめます」なんで、この終わり方なんですね。生真面目な独身アラフォー女性が、人生で一度だけハメをはずしてトライしたのが、カフェ営業。それも古家を壊されたくなく、借りるために苦し紛れに思いついたのがカフェなだけで、決して流行りのカフェ女子ではないところがイイです。登場人物たちの「地に足が付いた感」も、著者らしくてイイ(笑)この作品のおかげで、飲食店を始める際の知識が増えました。著者のエッセイの愛読者ですが、小説もよかったです。2018/07/19
あつひめ
87
人が生きている間にチャンスに恵まれるってどれだけあるだろう。そして、そのチャンスを掴めるのはどれだけの人だろう。思わぬ展開でトントンと話が進んでしまいカフェをオープンさせた。自分の力だけではこうもすんなり進まない。縁とは自分の力云々ではなく、巡り巡ったものだと思う。このあとがとても気になる。この、飾らない二人がやっているお店にどんな話が舞い込んでくるのか。どんな出会いが待っているのか。是非とも続きを読ませてもらいたいと思う。2016/12/04
ぶんこ
83
岸本さんの小説としては2冊目ですが、古い家に惹かれる設定は同じなので、ご本人がお好きなのでしょう。 私も古い木造家屋が好きなので、いさみさんの気持ちが判りました。 商いとしては色々と突っ込みどころ満載ですが、素敵な家を残したかった、触れていたかった主人公には手頃だったのでしょう。 いさみさんにはお似合いのお店だと思いました。 桜ふぶきを縁側に座って味わえるなんて、3万円の家賃なら私がお借りしたいくらいです。 おにぎり2つにぬか漬けで900円は高いけれど、このお座敷で長居が出来るなら行きたいです。2015/12/25