内容説明
米国量産牛、ラスコー壁画の野生牛、アンガスに松阪などなど、7か国をめぐり平らげた牛肉の総重量は45kg。牧場主、三つ星シェフ、科学者等に取材するも飽きたらず、挙げ句の果てのチャレンジは自分で牛を育ててみること。餌は?肥育期間は?熟成は?ステーキの全てを知りたい男の探求心の行き着く先は?考古学、栄養学、化学、歴史、文化人類学…先史時代に遡る人と牛の関わりを多角的に解き明かすユニークな体験記。
目次
ステーキをとりまく問題
第1章 テキサス
第2章 フランス
第3章 スコットランド
第4章 イタリア
第5章 日本
第6章 アルゼンチン
第7章 フルーランス
第8章 再び核心の地へ
おわりに―おいしいステーキを焼く方法
著者等紹介
シャツカー,マーク[シャツカー,マーク][Schatzker,Mark]
カナダ、トロント生まれ。トロント大学で哲学を専攻する。食や旅をテーマにライターとして『コンデナスト・トラベラー』誌ほか数多くの雑誌に寄稿するほか、『グローブ・アンド・メール』紙にコラムを毎週掲載している。妻と三人の子供と共にトロント在住
野口深雪[ノグチミユキ]
1970年千葉県船橋市生まれ。80年代をイリノイ州、マサチューセッツ州で過ごす。企業での通翻訳業務を経て2005年よりフリーランス翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sibasiba
19
ステーキ好きの世界各国牛肉探求の旅。カナダ人の著者が巡る国に日本もあるがメインの目的は神戸牛なのだが不思議の国のニッポン的なアレコレが描写されどうにも他の国と書き方が違う。缶コーヒーと大トロの話から始められ牛肉はどうしたって気分になった。いや面白いから良いのだけど。結局安定性と大量生産可能な穀物肥育か手間暇かかり量産が難しい草肥育かの選択なのかな。味と牛の幸福の為には草のほうが良いのだろうけど。しかし食肉も工業化されているんだな。2014/05/08
いちろく
16
美味しいステーキを求めて世界を旅するお話。ステーキという食文化を通してその国の事情が見えてくるのが面白い。興味を惹かれたのは、日本編。外国の方から見た日本、特に牛肉という食文化に対する見解はナルホドと。松阪牛生産者のユーモアもなく著者の夢を砕く、リアルな返答には笑った。2015/04/18
わんこのしっぽ
5
理想のステーキを求めて世界中を巡り、ついには自分で牛の飼育までしてしまう。その情熱には脱帽します。世界では牛肉は工業製品と同じ、企業が製造する大量生産品だと言う事や、農業自体企業が経営するビジネスなんだと言うことにはショックを受けました。日本の農家を取り巻く状況の厳しさの一端が少しだけ垣間見れました。2012/01/29
Humbaba
3
食べたものを使って自分の体をつくるのだから、何を食べてきたのかというのはその食味に大きな影響を与える。工業製品のように同じ食材を食べさせていれば一定の味にはなる。しかし、それは食べることの魅力を減退してしまうことにもつながりかねない。生産性というものさしだけでは測れないものがあるはずである。2014/08/14
くさてる
2
世界一のステーキを求めて世界を回るカナダ人によるレポ。現代の食肉事情を憂いつつも、安易なナチュラリストぽい物言いはせず、求めるのは、本当に美味しいステーキのみという姿勢が良い。日本についてのルポも楽しかったです。2012/04/21




