出版社内容情報
病弱の父に代わり仇討ちを実行する少年に助太刀する頼助ら神灯目付役三人。六〇余人を相手に秘策は・・・
内容説明
六十人を敵にまわすお火役三人の秘策は!?冤罪、謀略、裏切り―。絶望した人々を救うために、祇園社の神灯目付役が立ち上がる。書下ろし傑作時代ミステリー。
著者等紹介
沢田ふじ子[サワダフジコ]
昭和21(1946)年愛知県に生まれる。愛知県立女子大学(現愛知県立大学)卒業後、教師、西陣綴織工を経て作家生活に入る
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
6
祇園社の神灯目付役の植松頼助は従三位左中条植松雅久の庶子。正妻の刺客として差し向けられ、頼助との戦いが元で盲目となった剣士、村国惣十郎は今は彼の後見人として祇園社に仕えている。妻の於稲は御物師として巫女の衣服の新調や補修を行っている。息子喜平太は14才で、神灯目付役を願っていた。惣十郎や相役の孫市と共に、頼助は社や町の警護にあたっている。ある夜阿波屋に入った強盗一味を、孫市と頼助が捕らえる。2004/05/01
mitsuru1
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今回はけっこう切りますね。連作短編2009/02/16
きくちゃん
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私が読んだ澤田ふじ子氏の一連の連作物(公事宿シリーズ・高瀬川女船歌、足引き寺閻魔帳、そしてこの祇園社シリーズ)の時代背景は皆明治維新から約40~50年前になろうか?時代も場所も一緒なのだが主人公の立場によって作品のディテールが微妙に異なり、そこが魅力である。特にこの祇園社シリーズは人情物ながら主人公の職業から骨太の作品が多く、畏敬の念さえ覚えながら読んでいる。神灯目付け役という職業が実際にこのような権限を持ったものだったかどうかはわからないが、京の人々の暮らしぶりや習俗が身近に感じられる稀な作品である。 2020/09/18