内容説明
あの人に会いたい―願望がいつか懐しい面影となって消えない。それが、涙でかすむ面影橋。渡ったほうがよかったろうか。かすかな悔いが胸をつつむ時、ふたたび、何かが起きる…。男と女の美しく怖しい愛の12話。
目次
第1話 ちらし鮨
第2話 白い朝
第3話 毛糸玉
第4話 たたずむ人
第5話 星空
第6話 船と少年
第7話 鯉
第8話 鷲羽山まで
第9話 泣き売り
第10話 銀婚式
第11話 小春日和
第12話 数え歌
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shinya Fukuda
1
12の短篇集。ちらし鮨は漱石の趣味の遺伝を思わせる。たたずむ人は現実にありそうな話。星空は優子の推理が当たっていそう。船と少年は幻想的。鯉は結局会いにはいかなかった。何となく途中からそう思った。鷲羽山までこれもありそうなこと。泣き売りは理想と現実。銀婚式は幸せな妻の回想だが若い頃に発した一言がもしかしたらと思わせる。小春日和も幻想的。数え歌はとうとう橋を架けられなかった話。全てに橋が関わっている。自分にも起こりそうなことがテーマになっているので入っていってしまうなこと。自分ももしかすればあの時と思わせる。2022/11/06
mcpekmaeda
0
地元の京王線の駅が舞台となる短編がいくつか収録されていた。馴染みの深い風景に、小気味の良いテンポ。一気に読了。2016/09/16