内容説明
母と子の手紙が語る事実さえもこえた真実とは。失踪した兄、変死したその恋人、つのる母への疑惑……親子の、そして土地との深い絆は、奥飛騨の寒村に降りつむ宿命の雪のように真実を覆う。本格ミステリーロマン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅木原
2
短篇3つ。母子の書簡体形式の表題作が頭一つ抜けた傑作で、純粋に短篇ミステリとしてもよくできてるんだけど、〝雪に閉ざされた過疎山村に伝わる首吊りの木〟という鮮烈なイメージと、最後の息子の独白が作品全体の格調を一段高めている。今読むと毒親の話のように読めるのが最後の息子の独白を引き立ててるのは時代の経過が生んだ付加価値? 他2編はプロットそのものはわりと平凡なんだけど、波だの砂だの草だのが語り手になる「島でいちばんの鳴き砂の浜」のように、語りの工夫で面白く読ませるところに感心。面白かった。2016/07/06
二分五厘
0
1993.1.10
kanamori
0
☆☆☆2011/10/17
慧
0
★★2001/11/22