感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
J D
63
高校生の頃に一度読んだ気がしたが、読んで見ると新鮮な気持ちで読めた。「ニューヨーク炭鉱の悲劇」うーん、初期の村上春樹の匂いがプンプンした。嫌いではない。「カンガルー通信」昭和だなと思う。昭和はこんな感じだった。「午後の最後の芝生」いい!これはいい!こんな感じで学生時代は過ぎて行く。一つ一つを丁寧にこなす。そこから何だか不完全なものを受けとって人生は進んでいく。「土の中の彼女の小さな犬」仕方ない。現実はそんなもの。決してキレイではない。久しぶりの村上ワールド堪能しました。2023/03/18
matsu04
44
村上春樹の初期の7つの短編集。「午後の最後の芝生」と「土の中の彼女の小さな犬」の雰囲気がいかにも村上春樹っぽくて、何とも言えず好きである。初読み後28年ほども経つが、何度読み返してもやはり良い。いずれも、〝僕〟と相手女性との会話が絶妙で、独特の静かな世界を作り上げており、引き込まれてしまわずにはいられない。ついでながら、全体的に煙草を吸う場面がやたら多く、時代を感じてしまう。2015/08/30
kaoriction@本読み&感想 復活の途上
31
夏になると読みたくなる、そんな本がいくつかある。本書はそんないくつかの中の一冊だ。実際にはその中の「午後の最後の芝生」という作品が、なのだが。夏の記憶の作品。たぶん、この作品が夏休みの芝刈りアルバイトの話だからなんだろう。そして、初めて読んだ時、実家の裏のグラウンドに芝刈り機をかけている轟音から逃れるように、偶然にも芝刈りアルバイトをする「僕」の話に没頭した記憶がある。それも夏だったからなんだろう。夏の怠い午後にただぼんやりと読んで「今年も夏が来たなぁ」と思う。芝生のついた家というものを最近はあまり見か→2021/07/25
akane_beach
20
簡単なことばで内容は難解。羊をめぐる冒険を読んだ後だったので、その後に書かれたという後半三編から読む。芝生→犬→シドニー。前に戻って中国→貧乏な叔母さん→炭鉱→カンガルーの順。「午後の最後の芝生」が良かった。夏の草の匂いまでしそうな。対比として家族を亡くしたアルコール依存症の女主人の家の暗さ。「僕」は女主人との交流(死んだ娘のことについて)で別れた彼女を重ねて思い出そうとするが思い出せない。喪失感だけが残る。どれも軽く読めるが、再読するたびに違う発見がありそう。2014/04/29
ひほ
17
『貧乏な叔母さんの話』のみ読了。小川洋子さんの『注文の多い注文書』に出てきたお話。2014/04/13
-
- 和書
- 読みがたり愛媛のむかし話