出版社内容情報
高校2年生の小川るるは、かつて吸血鬼と呼ばれた特異体質「摂血種」と宣告された。摂血種の生業として血とともに記憶を受け継ぐ「記憶伝承士」のエドと出会ったるるは、彼の助手として働くことになるが――!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Meme
12
今の日本文化の現状を加味すると、ぜひ描き続けてもらいたい内容です。まず設定が面白いです。伝承と死とが、ときには類似し、ときには表裏一体になり、感情の波を作ります。実際に現地や博物館へ足を運ばれ、史実に基づいていることも、SFでありながらリアリティを感じさせる一要素だと思います。ぜひみんなに勧めたい本です！2023/06/10
新天地
4
かつて「吸血鬼」とされ今は「摂血種」と呼ばれる特異体質と判明した主人公の女子高生・小川るる。彼女が出会った摂血種のエドは不老長寿と吸血の特性を活かし失われゆく文化を次世代へ繋ぐ「記憶伝承士」をしていた。アルバイトでエドの助手をすることになった彼女はその中で、ひとの為してきた事と為したい事、為事（しごと）とは何かを体験していく。特に良かった話は第2、3話「木陰組紐」で、自分の地元もかつて養蚕が盛んだった地域だからこそ格別に伝わる作者の文化への敬意と理解の深さが素晴らしかった。ここ数年でトップクラスの傑作。2023/03/18
たけのこ
2
かつて吸血鬼とよばれた特異体質はいまでは「摂血種」とよばれる一つの希少体質になり、血を吸うとその人の記憶を受け継ぐことができる。その能力を生かし「記憶伝承士」として働くお話。これ吸血鬼の設定を使った終末ヒューマンドラマなのです。まだまだいろんな物語に期待できそう。2022/11/15
Yasuko Yamamoto
1
吸血鬼と伝統工芸2023/05/01
skr-shower
1
無料電書。吸血鬼物としてはかなり人情噺だ。2023/02/20
