吉村昭自選作品集 〈第11巻〉

吉村昭自選作品集 〈第11巻〉

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  • サイズ A5判/ページ数 476p/高さ 21X15cm
  • 商品コード 9784106450112
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0393

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たいぱぱ

62
『羆嵐』読了後、読メ熊部の読友さんから、短編集『羆』をお勧めして貰いましたが、図書館にないので動物小説を集めた全集にて。妻を殺し逃げた飼い熊を追う『羆』は切な過ぎる・・・。遭難死より漁を選ぶ漁村を描く『ハタハタ』。鼠の大量発生した島を描く『海の鼠』。大間のマグロ漁師を描く『魚影の群れ』。トド撃ちハンターを描く『海馬』。動物が登場しながらも、その時代をその環境を必死に生きる人間を描く短編は、どれも全部切ない。挫折感、敗北感が胸に押し寄せるが、希望が見える『海馬』をラストに持ってきた構成に拍手。2019/06/24

キムチ27

57
氏の作品集から読む~海洋シリーズ  「ハタハタ」:昭和初期、東北の寒村が舞台。「生と死」の同居の中で 慣習に捉われつつ暮らしを紡ぐ男女。生きる術のハタハタ漁.微塵という地名から推される海の墓場が凄絶な情景を浮かび上がらせる。「羆」ヒトと羆の間に生を受けたような銀九朗。骨の髄まで愛しぬいた妻を失い、たぎる怨念。宿命的に野獣と「相容れぬ関係」ながら「権作」は殺意抜きで襲ってきて、撃たれた。残った骨が空しい。「海の鼠」宇和島沖の戸島・日振が舞台。フィクションとは言え、氏は現地へ赴き、綿密な調査を。帰路で膨らむ2021/02/02

kawa

42
淡々とした表現の重なりから、ふと気が付くと物語に引き込まれている自分を発見する。そんな著者の筆致の真骨頂を楽しめる動物小説集。取り上げられる動物は羆、ハタハタ、鼠、まぐろ、トド。計らいのない動物たちと、計らいに足を取られる人間が対象的に描かれる力作揃い。生命力あふれる鼠と成す術のない人間の無力感が対照的な「海の鼠」、映画にもなったと言う「魚影の群れ」や「ハタハタ」、「羆」での厳しくも切ない人間ドラマが印象的。(冒頭の「羆嵐」は単行本読了として感想掲載済み) 2019/11/30

あっちゃん

23
海の鼠を読みたくて手に取ったけど、羆嵐、ハタハタ、羆、海の鼠、魚影の群れ、海馬、どれをとっても大好物(笑)前三作は既読だけど、ガッツリ再読!やはり羆嵐最高!それにしても、海の鼠は鳥肌たつわ( ̄▽ ̄)2021/05/07

ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね

10
『羆嵐』再読のため手に取った。どれも甲乙つけ難いが、『海の鼠』と、妻を殺した相手を執念で追い詰める『羆』の圧倒的な敗北感吉村昭の真骨頂だ。 2016/11/15

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