出版社内容情報
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。ダメ男ガストンの生き方に現代の愛を浮かび上がらせるユーモア小説「おバカさん」と、無垢な娘の悲劇が感動を呼ぶ人気作「わたしが・棄てた・女」。
内容説明
21世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。ユーモア小説の傑作「おバカさん」、無垢な娘の悲劇「わたしが・棄てた・女」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
biba
2
最近何かで知った「わたしが・棄てた・女」を読んでみようと初めて遠藤周作さんの作品を読みました。初めは戦後すぐの若い男女の恋愛物かと、たかを括っていました。こんな男に騙されないように、こんな無知な女にならないように、子供への教育が大事だわ・・・と思っていたら、衝撃の展開でした。人間の心は当時も今もほとんど変わらないように思って読んでいたけれど、ミツの姿に愕然。そして、そのミツにはモデルの女性がいたことにも驚嘆。後半は読む手が止まらず、読後眠れませんでした。2021/11/25
ともゑ
1
2作品。重いイメージの遠藤周作でしたがこれらは軽め。読みやすい。でもキリスト教の精神が絡む点はイメージ通り。この俗世界で愛を実践するのは難しいけど…「おバカさん」のガストンと「わたしが•棄てた•女」のミツ。「やさしい心の持主はいつでもどこでもわれにもあらず受難者となる。」の吉野弘の「夕焼け」を思い出した。2012/03/01