内容説明
春画こそは浮世絵の華―ところが、春画を無粋な絵に改竄していた不届き者がいた!コレクターや研究者たちも騙され続けてきたその驚くべき“変身トリック”とは?大胆奇抜な“春画ミステリー”の実態を全公開。
目次
第1章 “消された春画”を暴く(間男が消えた!;禁じられた“船遊び” ほか)
第2章 浮世絵春画の“悪用”について
コラム(オークションにも出ていた改造春画;加筆された署名 ほか)
第3章 “改造春画”表から裏から精密調査
著者等紹介
レイン,リチャード[レイン,リチャード][Lane,Richard]
1926年アメリカ生まれ。東京大学、早稲田大学、京都大学の各大学院で国文学を学んだ後、1958年、コロンビア大学で日本文学の博士号取得。日本の現代語および江戸時代語に通じ、コロンビア大学やメリーランド大学等で日本語、日本文学、日本美術を教えると共に、浮世絵の名門コレクターの顧問や、ホノルル美術館の学芸員も務めた。最近40年間は日本に住み、師宣や北斎をはじめとする浮世絵に造詣が深い。日本美術と日本文学に関する当代一流の学者である。文部省紺綬褒章、日本浮世絵協会賞、京都大学人文科学研究所奨励賞受賞
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感想・レビュー
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ずっきん
28
ふと再読。ほぼ全編鈴木春信。春画の改竄の検証、その驚異的な技巧についての語り口は難解ではなくとても面白いし、レイン氏の浮世絵愛に溢れていて楽しい。実はタイトルよりも、春信目当て。詳しくはない、真贋見分ける眼もないけれど、とにかく美人画が好き。本書は春画メインで掲載されてるので、女達の色っぽさたるやたまりません♡2018/03/04
Koning
17
図書館で春信の表紙につられて借りたらリチャード・レインだったでござるの巻。流石に春画一筋(それだけじゃないすが、もちろん)の大先生。春画が改竄されてこうなってったよ!というのを色々と検証してます。とりあえずほぼ全篇春信なので(湖龍斎、清長なんかもありますが)春信チェックのためにも良い一冊かもしれません(そうなのか?)。リチャード・レインに関しては浮世絵春画を読むなんかで反論なんかも色々出てますが、その辺を鑑みてもいい本と言っていいんじゃないかと思います。とりあえず春信ファンは見ておいて損は無いと思います。2014/07/31
紫
3
推理小説も真っ青の浮世絵偽造の手引き。メインは春画の改竄問題。贋作モノの推理小説などでは単純な贋作をどうやって信じさせるかというトリックが中心になるのですが、現実には科学鑑定を贋作者の神業的な職人芸がうわまわってしまうんだから、まさに事実は小説よりも奇なりであります。 浮世絵の改竄に対する著者の姿勢は容赦なく、批判の矛先は偽造に対して意識の低い研究者や出版物にも向けられることに。論調は辛辣ですが、すこぶる拝聴に値するものではないでしょうか。美術品贋作に関心がある方なら必読の一冊。星5つ。2019/09/28
李
2
なるほどなぁっと思うことがたくさんあった。でも、これが日本人じゃなくて海外の方が気づいてるってね…。なんだろう、興味関心がないものは良いものでも廃れてしまうものなのかなぁ・・・。浮世絵がもっと見たくなった。2010/04/28
圓子
1
不自然に見える絵にはそんな仕掛けが!




