内容説明
関係ないのに仕切られたら、生きる努力を哄笑われたら、親切ごかしで監視されたら、あなたは電波になって逆襲する!?愛する「猫」を失った私に襲いかかる「世間」という名の妖怪たち。都会で働く単身女性の、孤独で切ない闘いが始まる―。
目次
他人の不幸が嬉しい
静かな時間を憎む
姫君気取りで、威張る
覗き見だけが生き甲斐
泣く人に付きまとう
自分の都合が道徳
関係ないのに仕切る
弱者の聖域は侵す
根掘り葉掘りしつこい
見当はずれを大声で
生きる努力を哄笑う
親切ごかしの監視
電波になって迫ってくる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
7
『母の発達』の後に読んでしまったからか、どうにも物語が停滞しているように思えた。あとはまあ幻想味が足りず、肝腎の「ナウィマチェ」のおぞましさも今ひとつ伝わって来ないきらいがあるかな、と。そのあたりでもやもやしてしまうのだけれど、ただ「共同体」というか「世間」というか、そういう鵺のようなものと直面して戦おうという意志は頼もしく感じられる。私自身の話を書くと興醒めになるが、私もまた「世間」から後ろ指を指されるタイプの人間なので笙野氏を信頼出来るのだ。いや、こんなに勝手に過剰に共感されるのを氏は嫌うだろうけれど2016/04/27
しょこら★
1
うーん。よく分からないけど、不気味。2011/05/19
きよしこ
0
すごい疲れたけど、最後まで読んでしまった2013/06/21
くままつ
0
妖怪化した隣人、狂って行く(狂わされる)主人公の現実感。幻想的なイカれた風景から、猫を守るために意識を取り戻して行く、でも去りてなお苦しめてくる声と気配。なんかお互いに監視し牽制しながら微笑み合うキモチワルイ社会は知っている気がする。2012/09/28