内容説明
思えば昔、長屋で仲良く遊んでいた、男の子二人、女の子二人、が、長じて男二人が女一人に惚れたのが運の尽き。「死ぬ気だったの?」、恨めしそうに見られても。なぜ俺は、このよく気がつく女に惚れなかったのだろう…。お江戸といえばこの人!森口慶次郎シリーズ、期待の第六弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
17
今回収録されている「うでくらべ」「かえる」「夫婦」「隅田川」「親心」「一炊の夢」「双六」「正直者」のうち、主人公の慶次郎の視点で描かれたものは一つもない。登場頻度が増えて来たのが、慶次郎の養子で南町奉行所同心になった森口晃之助。養子といっても、本来ならば慶次郎の娘三千代と結婚して、親子関係を結ぶのだけれど、三千代が自死したため、晃之助が嫁を貰って森口家に入っている、いわば夫婦養子。だから、親子といっても、彼等とその子供には血の繋がりはあっても、慶次郎にはない。最近晃之助のお裁きぶりが慶次郎に似てきた。2010/04/15
ひろん
6
慶次郎縁側日記6。表題作、隅田川は惚れた女の為に、盗人にもなってしまう男。でもこの男には心を寄せる幼馴染の女が居て…。他、うでくらべ、かえる、夫婦、親心、一炊の夢、双六、正直者。2014/02/09
カコ*
1
このシリーズは読み進めるにつれて味のあるスルメのようだなぁと思ってしまう。「うでくらべ」と「親心」。どちらも子を思う親の気持ちの短編で展開は違うのだけど、子を思う親の気持ちはどちらも同じなんだなぁと思った。…この短編集ではどちらかと言えば慶次郎は裏方っぽくて物足りないと言えば物足りないのだけど、それもまた良かった。個人的には表題作の「隅田川」が一番好きです。2012/07/08
じろ
1
運の悪い、報われない人の話ばかりだったような気が・・・ 読み終わった後ちょっと落ち込みました。2012/06/07
朱音
1
今回の話は、慶次郎ではなく、外から見た彼の姿を描いた、っていうものが多い感じ。どの本もそうなんだけど、このシリーズは、登場人物が切ないよね。じんわり効いてくる。2003/05/19