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内容説明
森崎湊が自決したとき、かれはまだ21歳の青年だった。戦争中美しく死ぬことばかりを考えて生きていたこの青年にとって、死からの解放はかえって生の目的の喪失と意識されたようである。…アメリカがベトナムにおいて北爆を開始した1年後、1966年(昭和41)2月3日、ひとりの老日本人がワシントンのロバート・ケネディ上院議員のもとを訪れた。その日本人は、67歳の小沢開作、川崎の歯科医である…昭和の死者、昭和を生きる私たちにとって帰りゆくべき心の故郷は何処に…。
目次
海の幻―森崎湊の自決(20歳の遺書;死は既定であったか;森崎3兄弟の戦争体験;頽廃への情熱;有明海のほとり;再現された自己精神史;満州国というロマン主義;アジア解放の夢と抵抗者としての伝説;帰郷のあと;香良洲の浜で;母の狂乱)
埋み火―小沢開作の夢(ロバート・ケネディと小沢開作;町の老歯科医者;パトリ〔原郷〕としての「満州」;万宝山事件からの満州事変へ;協和党運動の挫折;〈政治〉についての唯一つの言葉;人の死)
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