プリズンの満月

プリズンの満月

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103242246
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

今なお消え残る巣鴨プリズンの影―。日本人刑務官が目撃したプリズンの「真実」。戦犯とは、東京裁判とは何だったのか…。戦後五十年に問う迫真、感動の長編小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

taiko

52
刑務官としての任期を全うし、引退後釣りを楽しむ生活をしている鶴岡は、終戦直後巣鴨プリズンに赴任し、奇妙な時期をすごした経験をもっていた。…二つの祖国を読んでからの東京裁判繋がりで手にした作品。舞台となった巣鴨プリズンは、東京裁判以降でしたが、とても興味深く読みました。小説としては、年老いた鶴岡の部分以外は、事実を連ねるばかりの形式の為、少し読みにくい感じます。もう少し段落、単元ごとになっていたら良かったのに、と思ってしまいました。所長や事務官の配慮で、野球観戦に行くシーンが好きです。この作品に触れて→続く2019/05/22

とよぽん

50
第二次世界大戦に無条件降伏した日本の戦争犯罪人が、A級・B級・C級、合わせて数千人も。しかも、巣鴨プリズンだけでなくフィリピンやオーストラリアのプリズンに収監されていた戦犯も相当数いた。まずもって、戦争犯罪人として軍事裁判によって一方的に裁かれる不条理さがある。そして、アメリカ進駐軍の監督管理の理不尽な仕打ちなど、主人公が刑務官として身一つ熊本刑務所から巣鴨プリズンに赴任して見聞きし体験したことが詳細に語られる。この作品を読むまで、収監された戦犯や残された家族の窮状など考えたこともなかった。2024/03/09

Masashi_1234567

24
戦後、巣鴨プリズンに勤務していた刑務官の話。主人公は架空の人物らしい。収容されているのは戦犯。普通の犯罪者ではない。国のため、または当時の組織体制として逆らうこと出来なかったなど、本来、平和な世の中であれば犯罪を犯すことが無かったであろう人たち。後半は、結構うるっとくるような内容だった。2022/02/10

ちゃま坊

8
先月巣鴨プリズン跡地公園を訪れたので再読。歴史の場所であるのに「巣鴨プリズン」の文字の看板はどこにもなく、処刑場の場所に曖昧な表記の碑があった。きっと知らせたくない歴史なのだろう。2016/07/08

みちかなもに

5
戦後、40年刑務官を勤めた主人公の巣鴨プリズンでの回顧録。当初戦犯の死刑執行が行われていたが講和条約締結後は管理を日本に移譲したためそれもなくなり、減刑や仮釈放になる者も。芸能人の慰労、時間外の内職や外部アルバイトも許可され、集団で野球観戦に行くことも。巣鴨が刑務所としての機能を急速に失っていく様子が描かれ、時間の経過とともに戦犯の問題を解く鍵があるのでは?と著者はあとがきで提起している。今は巨大なビルが建設され墓標となっている。戦争裁判とこのプリズンにどんな意味があったのだろう、と考えさせられた。2017/01/26

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