内容説明
偶然の出会いの先に無限に広がる可能性から自ら選び取った、たった一つしかない奇跡、それが今、僕と君がこうやって向かい合っているということ―記憶を彩るすべての物語は、こんなかけがえのない「対話」から生まれているのかもしれない。不朽の名作中編集。
著者等紹介
金城一紀[カネシロカズキ]
1968年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りの
23
「映画篇」が良かったので、こちらへ。短編3話。運命と彼女と月「恋愛小説」が一番好き。人権派弁護士との長距離ドライブ「花」も良い。どちらも 切ないラブストーリー。2018/02/20
テツ
7
収録されている三つのお話全てが心に刺さる。特にラストを飾る『花』は何度読んでも涙も鼻水も垂れ流しになる(注 僕は成人男性の平均よりかなり泣きやすいことを考慮の上で)。出会いは偶然でもその後の交わりは必然。何故この本のタイトルを『対話篇』とつけたのか。人間は他者との交わりの中で、人間にしか出来ない対話を経て無限の数の未来からより良いと思われる一つを選び出す。生きることは強く美しい。2016/03/04
蕭白
7
最初の「恋愛小説」をちょっと立ち読みして、続きが気になったので借りました。思っていたより、落ち着いた雰囲気が良かったです。個人的には、少し不思議な読後感のあった「永遠の環」が好きでした。2014/01/05
智哉
5
単純な恋愛小説とは違う奥行きがあった。著者の溢れる知性を押しつける訳でなく、ひとつひとつの言葉が柔らかく丁寧に描写され、読んでいてホントに心地いい。長編でなくても十分に楽しめた。2008/11/28
Shimaneko
3
ザ・ゾンビーズ・シリーズの反動かと思うほど暗くウェットな中編三篇。谷村がそんなことになってたとはね。ロードムービー的な『花』が良かった。「男は権力と戦ってなんぼだよ」(p.159) というばーちゃんの名言が、いかにも著者らしい。2014/06/25