新潮文庫<br> 夢のなか―慶次郎縁側日記

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新潮文庫
夢のなか―慶次郎縁側日記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 348p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101414232
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

女に食わせてもらう甲斐性なしと笑われるあの人も、私にはいつだって優しい。たとえ夢のなかでさえも…。職に就かない優男を針仕事で支える娘にも、良縁話を笑顔で断る縹緻よしにも、胸に秘めた思いがある。失くした恋の哀しみが、思わぬ悪事に人を走らすこともある。理詰めじゃ解けぬ江戸の男女の心のもつれを、隠居を楽しむ慶次郎が慈愛で解きほぐす、哀歓溢れる八篇。

著者等紹介

北原亞以子[キタハラアイコ]
東京生れ。石油会社、写真スタジオに勤務後、コピーライターとして広告制作会社に入社。その間に、創作活動を開始し、1969(昭和44)年「ママは知らなかったのよ」で新潮新人賞、同年「粉雪舞う」で小説現代新人賞佳作を受賞。’89(平成元)年『深川澪通り木戸番小屋』で泉鏡花文学賞、’93年『恋忘れ草』で直木賞、’97年『江戸風狂伝』で女流文学賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろば

39
元定廻り同心が主人公の話だが、派手な捕り物はほとんどない。日常に潜む親子、親戚付き合い、就職、結婚、嫁姑、DVなどを巧みに取り入れられた作品です。また、江戸の情景が上手く描かれていて目を閉じると、埃っぽい江戸の町や物売りの声、長屋の井戸端でおしゃべりをするおかみさんたちの声までが聞こえてきそうです(笑)2018/01/29

ぶんぶん

10
いつもながらの、慶次郎縁側日記。 安心して読めるのだが、こちらが「辛抱」出来ない歳になったか、やたらと説明調が気になる。一人の人物像を説明するのに、二、三人の付けたしがある。込み入って来る、文体がそうだし、そうしないと納まりきれないと、思うのだが…お話はいつもの江戸の長屋の人情話、酸いも甘いも噛み分けた慶次郎が巧みに捌く。やるせない男女の機敏に江戸の匂いを嗅いだ。2014/01/03

Kira

4
第九集。うまいなぁ、と思わずうなったのが「可愛い女」に出てくる蕎麦と羊羹。蝮と忌み嫌われている吉次に頼み事があると、吉次が居候している妹夫婦の蕎麦屋に可愛い女が訪ねてくる。さっそく、蕎麦が出てくる。女の蕎麦には羊羹が添えられ、吉次の蕎麦は大盛りである。妹夫婦のはしゃぎぶりが羊羹と大盛りで表現され、吉次の ぼやきが笑いを誘う。作者お気に入りの吉次は、やはり「やさしい男」なのだと再認識した。2019/07/20

kazukitti

3
間数巻飛ばしちゃったけど続きのエピソードみたいなのはなかったような気がしたので問題なかったw でも前やらかした時はお登世との関係にあれ?とかあったんで、間埋めた時にまた何か感じるのかもなw ハイ、内容は毎度のしょっぱい人生にわずかの晴れ間オチの人情噺で一緒。当たり前とはいえ、主人公の心の傷は全く癒えてないのが改めて知れてそりゃそうだろwとしか。衝撃のシリーズ開幕何してくれてんだよ北原さんだったっつーのw 2020/03/16

キーにゃん@絶対ガラケー主義宣言

2
女性たちのお話。吉次がかわゆい2010/12/28

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