新潮文庫
若き日の友情―辻邦生・北杜夫往復書簡

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  • サイズ 文庫判/ページ数 418p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101131610
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

旧制高校で出会った二人の青年は、励ましあい、そして文学と人生について語り合った。180通を超える文学史上貴重な書簡を収録。

辻邦生22歳、北杜夫20歳。旧制高校で出会った二人の青年は、真情を吐露し、励ましあい、敬愛するトーマス・マンの死について、文学と人生について語り合った。大学の下宿先の仙台から、留学先のパリから、そして「どくとるマンボウ航海記」の船上から――。単行本未収録の新発見20通を含む、昭和23年から昭和36年までの180通を超える日本文学史上貴重な書簡を収録した決定版文庫。

内容説明

辻邦生22歳、北杜夫20歳。旧制高校で出会った二人の青年は、真情を吐露し、励ましあい、敬愛するトーマス・マンの死について、文学と人生について語り合った。大学の下宿先の仙台から、留学先のパリから、そして「どくとるマンボウ航海記」の船上から―。単行本未収録の新発見20通を含む、昭和23年から昭和36年までの180通を超える、日本文学史上貴重な書簡を収録した決定版。

目次

1 1948年3月10日~1957年9月27日
2 1958年11月14日~1959年4月12日
3 1959年5月12日~1961年5月15日

著者等紹介

辻邦生[ツジクニオ]
1925‐1999。東京生れ。1957(昭和32)年から’61年までフランスに留学。’63年、長篇『廻廊にて』を上梓し、近代文学賞を受賞。この後、芸術選奨新人賞を得た’68年の『安土往還記』や’72年に毎日芸術賞を受けた『背教者ユリアヌス』等、独自の歴史小説を次々と発表。’95(平成7)年には『西行花伝』により谷崎潤一郎賞受賞

北杜夫[キタモリオ]
1927‐2011。東京青山生れ。旧制松本高校を経て、東北大学医学部を卒業。1960(昭和35)年、半年間の船医としての体験をもとに『どくとるマンボウ航海記』を刊行。同年、『夜と霧の隅で』で芥川賞を受賞。その後、『楡家の人びと』(毎日出版文化賞)、『輝ける碧き空の下で』(日本文学大賞)などの小説を発表する一方、ユーモアあふれるエッセイでも活躍した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くろすけ

17
20歳そこそこで出会った二人の文学者の、人生にわたる友情の書簡。ある時期は恋い慕い合い、ある時期は文学について熱く議論を交わし、また文学者として支え合い励まし合う二人の姿がページの間から濃密に立ち上がってくる。太く熱くつながった二人を見守る辻夫人の佇まいも柔らかくさわやかで好もしい。このような友を持てたらなんと幸せな人生だろうと思う。「とも角、わが宗吉(北の本名)に会えること、ちょっと思ってみても、胸ときめく。」次に大切な友と会う約束をするとき、いつもの「楽しみ♪」の代わりにこのフレーズを借りてみようか。2017/04/22

ぺぱごじら

17
今はメールやlineで、ちょっと特別な時は電話やSkypeで…いい時代になった筈なんだけど、この二人(途中から三人)のやり取りを見て『素敵だな』と感じてしまう。『メールやline』と書いた通り、時は流れても人は大抵手紙が好きなものなんだけど、このやり取りはさっと数秒でやり取り出来るものではなく『一定の日にちがかかること』に意義があるように感じる。『どくとるマンボウ航海記』『どくとるマンボウ青春記』を是非読んでから、この二人のやり取りを楽しんで欲しいな、と。2014-692014/04/12

Mu@芒羊會

7
なんという幸せな関係だろう。これは愛するものへの手紙だ。北杜夫と辻邦生。旧制高校で出逢い終生の友と成った二人の往復書簡集。互いが互いのことをどれほど大切にし頼りにし愛していたか如実に分かる。ある意味恋人への手紙そのものだ。それと共に二人の文学青年が手紙の上でいかに真摯に文学的考察を重ねていたか、そのことに驚いてしまう。北の無手勝流で軽やかな生来の文学者としての筆遣い。辻の論理的思索的議論とふと挟まる小説的描写の数々。それは紛れもなく二人の資質の表れだ。こんな友を持てたことに心からうらやましく憧れてしまう2016/08/21

mahiro

3
恋文のように始まる青春時代の書簡が微笑ましい… 二人が互いの才能を尊敬し高めあって成長してゆく本当に素晴らしい友情で結ばれていたのが感じられ、又『幽霊』その他の初期作品の執筆されて行く過程が分かって嬉しくなる。先に辻氏が結婚しても奥様を巻き込んで友情は発展してゆきフランスに留学した辻氏はマグロ調査船に乗り組んだドクトル宗吉の来仏を妻と二人焦がれるように待っている… 打算も見返りを求める事もない美しい友情を終生持ち続けた二人だったのだな…辻氏が北氏をドストエフスキーの『白痴』のムイシュキンに例えていたが2012/11/08

k_samukawa

2
北杜夫と辻邦生。二人の才能が、互いに高めあい、相次いでよ世に出て行く様子を克明に捉えた書簡集。友情というよりもう殆ど愛情である。辻邦生の文章は時に難解で、北杜夫の文章は時おり酔っぱらっていてユカイ。共に人柄が出ている。そして、辻氏の妻・佐保子氏の、明晰でありつつも稚気溢れる、奥底で深く二人を気遣う文章がとても良い。2012/11/11

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