内容説明
広大な“清張文学”を支えていたものは倦むことのない取材と、こまめに記けられた「日記」であった―。〈流れ作業〉で解剖が進むニューヨークの死体収容所。文豪・鴎外を始終悩ませた家族の不和。ゾロアスター教の拝火殿を眺望しながら、モーツァルトの「魔笛」を考える旅日記。何気ないメモと、ふとした雑感が小説の土台に据えられてゆく。創作の臨場感あふれる“清張ノート”。
目次
ニューヨークの死体収容所。あるオランダ人。
民俗学の衰退。イランの拝火神殿趾。モーツァルトの「魔笛」。
一葉と緑雨。芥川と三島。中勘助とその嫂のこと。
森鴎外の死とその創作欲の内側。
森鴎外と乃木将軍の死。白樺派のこと。
イギリス紀行(ヨーロッパ巨石文化。ロンドン。シェトランド島。;スティンネス巨石群。城壁遺跡。;スコットランドの石塔。ヨークシャー婦女連続殺害事件。;「嵐が丘」を訪う。)
ヨーロッパ巨石文化の展望。
運不運わが小説