新潮文庫<br> 女の勲章 〈下巻〉

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新潮文庫
女の勲章 〈下巻〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 424p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101104393
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

女の愛情と虚栄心を金に換えて野望をとげようとする男。

式子は、銀四郎の強引なまでの求愛を受け入れる。だが銀四郎は、なぜか三人の弟子たちとも次々と関係を結ぼうとする。そうしたなか、式子は、学院の理事に招請した銀四郎の恩師の静謐なたたずまいに心を奪われるのだが……。銀四郎の辣腕で、服飾デザイナーの頂点に昇りつめる式子。愛人の死亡記事をも広告料に換算する銀四郎。二人のたどる愛と打算の相克をリアルに追った野心作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ykmmr (^_^)

113
下巻に入り、式子は自分の世界を拡大していく。しかし、相変わらず中身がなく、女ほぼ全員、欲と銀四郎まみれ。銀四郎は相変わらず小賢しいが、式子が居なくなった後はどうする気なのか?式子の救いは銀四郎の策略に気付け、白石教授を頼った訳だが…銀四郎とは逆の、真面目さ故の自己保身野郎で…。ハハハ…。舞台はヨーロッパの各場所まで広がって行くが、この作品が、他のファッショナブルな国だと、どんなSTORYになっていたかが…若干気になる。イタリア・フランスより、スペインを舞台が良いかも…笑…。2022/02/18

ともくん

55
少し中途半端な終わり方で消化不良気味。 男に翻弄され続けてきた式子がかわいそうだ。 銀四郎、白石教授の二人のキャラクターが憎らしくて仕方なかった。 こう思ってしまうことが、山崎豊子の術中にハマっているのかもしれない。2020/01/26

reo

41
1961年(昭和36年)の作品です。ここでは、この小説の結末に触れませんが、男性上位の社会背景が重くのしかかり、当時の世相を色濃く反映しています。つまり所詮女はこんなもの。とか、女があまり羽振りを利かすと碌なことはないという風潮ですね。「戦後、強くなったのは靴下と女」というフレーズが流行語としてもてはやされたのは1984年のことです。それより23年も前ですからこんなものかと…。今だったらこの結末では女性の支持は得られません。ただ女の虚栄心や欲望、嫉妬などが渦巻き、物語としては誠に結構な出来です。女は怖い!2017/02/28

薦渕雅春

31
著者あとがきによると、初めて書いた新聞の連載小説。処女作に書き下しの小説、次に月刊雑誌、週刊誌、新聞と一年に一作ずつ、ちょうど四年目に新聞の連載小説を執筆し、一番難しいと痛感した、と述べている。私が生まれる前の作品。時代背景が古く、言い回しが古いなど、内容に関しては現代の小説ほどのスピード感はないかもしれないが、濃密な心理描写、人間関係の複雑さ 難しさ、欲 や 虚栄心、愛情、どのシーンにおいても緊迫した スリリングな あるいは深遠な著述・表現が成されていると思う。数十年後でも読み継がれている名作だと思う。2017/08/31

コロンボ

23
物語後半は、世界的デザイナーであるランベールのデザイン購入の海外編。というか、式子の白石教授に対する想いを叶えるべく、大胆な行動に走るものの、銀四郎に邪魔され、最後は残念な結果に。式子には、その選択しかなかったのでしょうか。銀四郎は原作の方がドラマ以上に悪魔の様な人間だった。3人の弟子たちも下克上の野心が強く、読後感は、人間不審になりそう。自分の回りは、こんな人たちばかりではないと信じたい。2017/07/09

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