出版社内容情報
世界に誇る日本古典文学の原点。頭注 現代語訳がついて誰にでも読める。
長大な物語『源氏物語』は、光源氏の生まれてから成人するまでの第一部。その中年の恋の物語である第二部。そして、光源氏亡きあとを物語る第三部におおむね分けられる。 今回の第6巻は、その第三部の中心部分、華麗な「宇治十帖」の後半にあたる。光源氏の死後、主人公は、光源氏の子・薫と、匂宮という二人の若い世代に移る。作者・紫式部は、何事にもはえばえしかった光源氏とは対照的に、等身大の、身近な人物造形をこの二人にあてた。光源氏の子として生まれたが、その実、柏木と女三の宮の不義の子である薫は、不断の厭世感を身にまとい、悩み多い人生を生きることになる。愛する大君を亡くし、悲嘆にくれる薫は、その身代りとして、大君と生き写しの浮舟を愛するようになる。しかし、生来の「まめ男」である薫は、その恋におぼれきることはなく、ライバルである匂宮にとられてしまう。板挟みで苦しむ浮舟は、ついに入水を決意する…。ある意味では、非常に現代的なテーマに、作者はどう決着をつけるのか。長大な物語もついに完結。同一ページに、原文・頭注・現代語訳がはいり、誰もが、この日本古典文学の最高傑作を楽しむことができます。
阿部 秋生[アベ アキオ]
著・文・その他/翻訳
秋山 虔[アキヤマ ケン]
著・文・その他
今井 源衛[イマイ ゲンエ]
著・文・その他/翻訳
鈴木 日出男[スズキ ヒデオ]
著・文・その他/翻訳
内容説明
東屋・浮舟・蜻蛉・手習・夢浮橋。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えりな
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卒業論文に使用2008/05/01
りょく
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ようやく「浮舟」あたりから気持ちがのってきて一気に読み終えることができた。聖めきたると自負しながらも俗物そのもの、自意識の塊・薫。薫や中の君、浮舟が廻らせる世間体を守るための配慮をぶち壊す、色欲魔人・匂宮。父の愛に飢え、その浅慮ゆえに情熱的な匂宮に夢中になってしまう浮舟。複雑な心理描写と人間模様が光る。 小野に移り、俗世への想いが断ち切れないもののそれを振り切るように仏道修行に邁進する浮舟に対して、口だけ聖志望の薫は結局世間を慮る口実のもと今の生活に執着していて愚かさが際立つ。話が進むにつれ(コメントへ)2021/03/20