小学館文庫
彼女を憐れむ歌―なぎさの媚薬〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 187p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094082647
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「テツ、最後までさせてあげなくて…ごめんね」渋谷の街に現われる美しい娼婦・なぎさ。彼女を抱いた男たちは、青春時代の思い出の女性と再会する夢を見る。エリート商社マンの北沢哲也は、大学時代に組んでいたバンドの紅一点、ボーカルの真理子の死を知った。真理子は―濡れるといい声の出る歌姫だった。背筋がぞくっとするほど艶やかに、妖しく。哲也はギタリストの本条に頼まれ、演奏前に真理子を愛撫するようになる。だが彼女の本命は哲也ではなかった―。60~70年代ロックの名曲とともに綴られる「なぎさの媚薬」シリーズ第三弾。

著者等紹介

重松清[シゲマツキヨシ]
1963年岡山県生まれ。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て執筆活動に入る。91年、『ビフォア・ラン』でデビュー。99年に『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年に『ビタミンF』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんごろ

139
何かのせいにすれば何でも許されるものではない。それが、この物語ではロックということ。ヘタなプライドの高さはいらない。何かを言い訳にして甘えるんじゃねえよ。それは人としての成長を妨げる。本条よ!早く目を覚ませ!テツ、本条を目覚めさせてくれ!真理子を助けてやってくれ!そう思わせる青春小説と見せかけての、なぎさという女神のような娼婦を通しての官能小説。歪んだ愛、歪んだエロスというべきか、性的嗜好についていけない。まあ、なんだかんだハッピーエンドなのは重松作品ならではだね。2023/08/08

まさきち

66
前作、全前作に比べ少々人間関係の設定に凝ろうとしたのかいまいち入り込めないほどのものになってしまっていたような。もっと単純になぎさの能力に浸れる物語を期待して次作へと手を伸ばします。2017/07/04

りゅう☆

54
昔のバンド仲間真理子が死んだ。自分の人生は変えれないが、彼女の人生なら変えることができるという娼婦なぎさと出会った哲也。過去に戻り真理子と寝るという選択でなくてもよさそうだけど、そこは官能小説なのでよしとしよう。だってなぎさは昔抱きたくても抱くことのできなかった女性と会わせてくれる不思議な娼婦だから。夢を捨てきれず、自分勝手な本条の態度とプライドの高さには呆れるも、哲也自身ちゃんと過去を見つめ直した結果として、今現在の新たな人生を手に入れることができ晴れやかな思いがした。相変わらず安定感のある物語ですね。2015/07/09

p.ntsk

23
共読反映の為登録。レビューは『ねえさんの浴衣』にて。2016/6/27読了。2018/09/13

となりのトウシロウ

22
なぎさの媚薬シリーズ3作目。今回は学生時代にやっていたロックバンドの女性ボーカルと会うという話。夢に生きるか現実を見るかで悩んだり、仲間同士で女性を取り合ったりという大学生時代。その時に戻って真理子を救いたいという気持ちが羨ましく感じる。過去から戻った後、エンディングではホロっとさせられ、読後感良し。1作目に比べると官能シーンが少なくなっている気がする。2019/02/13

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