出版社内容情報
がんを前向きに考えれば、違う世界が見える
今や2人に1人が罹ると言われるがん。かつてのように「不治の病」ではなく、早期発見すれば完全寛解するものも多い。本書は数多あるがん治療体験記だけではなく、いかにがんという病をポジティブに考えていくという趣旨だ。著者は2度のがん闘病を経験した直木賞作家で、自らの体験から得た「哲学」といってもいい。
がんをただ恐れるのではなく、「がんという病を抱えたもう一人の友人を見つけた」と考えて、あらゆることをその「友人」と相談しながらやりたいことができる。そう考えれば「がんは人を成長させる」し、新たな目覚めのチャンスを得たともいえる。
人生喜怒哀楽、いろいろある。その人生を実人生とだけ考えてしまうと愛憎が入り交じったものになるし、苦悩さえ残る。著者にしても良いばかりの人生だけではなく、実の兄が事務所の金や印税を使い込み、借金漬けにされてしまったこともあった。でも、夢だと思えば、苦しみでさえ夢だから、残るのは楽しい夢の感覚しかないという。そう、人生を夢だと思えば何も恐れることはない。諦めるのではない。「がんになった。さあ生きよう!」と前向きに病と闘えばいいのだ。
【編集担当からのおすすめ情報】
著者のなかにし礼さんの言葉にはハッとさせられることの連続でした。私事ですが、自分の家族もがんに罹って、現在闘病中です。しかし、なかにしさんのあくまで前を見て闘い抜く姿、そしてがんという病への向き合い方に勇気をもらいました。すべてのがん患者、そしてその家族に一読していただきたい一冊です。
まえがき
第一章 がんで死にたい
第二章 青天の霹靂だった二度のがん闘病
第三章 死生観を形づくった満洲での阿鼻叫喚
第四章 それでも私はがんと闘い抜く
なかにし 礼[ナカニシ レイ]
著・文・その他
内容説明
2度のがん闘病を経た直木賞作家が到達した境地―がんは人を成長させる!!新たな「目覚め」のチャンスを得た!
目次
第1章 がんで死にたい(私ががんで死にたい理由;ボディと精神の対話 ほか)
第2章 青天の霹靂だった二度のがん闘病(洗面台いっぱいの吐血;一度目の食道がん告知 ほか)
第3章 死生観を形づくった満洲での阿鼻叫喚(「よそ者」の原点は満洲での生活;七有八無 ほか)
第4章 それでも私はがんと闘い抜く(死に恐れはない;病と死の違い ほか)
著者等紹介
なかにし礼[ナカニシレイ]
1938年中国黒竜江省(旧満州)牡丹江市生まれ。立教大学仏文科卒業。在学中よりシャンソンの訳詞を手がけ、その後、作詩家として活躍。約4000曲の作品を世に送り出し、日本レコード大賞、日本作詩大賞ほか多くの音楽賞を受賞する。その後作家活動を開始し、2000年『長崎ぶらぶら節』で第122回直木賞を受賞。2012年3月、食道がんであることを公表。先進医療である陽子線治療を選択し、がんを克服したものの、2015年3月にがんの再発を明かし、闘病生活に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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