出版社内容情報
性と恋にまつわるオムニバス
道を歩くだけで知らない男性から口笛を吹かれる、
“フツー”になりたくてセックスとお札を交換する、
恋をする、
「あなたになりたい」と願う、
自己嫌悪と嫉妬で、息もできない…
『先生の白い嘘』などの鳥飼茜が描く、
様々な感情に溺れそうな10代の女の子たち。
それは、どれも私たちの身に覚えのあるものだ。
…「大丈夫?」
これは読む者を打ちのめし、
そして、救う物語。
表題作のほか、“感染”をキーワードに女の嫉妬を肉筆したホラー『鬼さんこちら』(週刊ビッグコミックスピリッツ掲載)など全8編を収録。
【編集担当からのおすすめ情報】
『先生の白い嘘』『地獄のガールフレンド』などで「男女」「他人」との無理解を描きつづける漫画家・鳥飼茜氏の最新作。
途方もない世界を、こんがらがった自意識で生きてきたわたしたちは
いま、誰かと理解しあえるのか。
無理解の果てに希望はあるのか?
本作『前略、前進の君』での最終話「大丈夫?」で、
鳥飼氏はひとつの答えを出しています。
傷つき、怯えながらも、これからも生きつづける人々に捧ぐ、
鳥飼氏からの強烈なメッセージを受け取ってください…!
鳥飼 茜[トリカイ アカネ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
19
JKなどど彼女たちを一括りにする。「彼女たち」もまた「私たち」と自らを一括りにしてしまう。「フツー」という呪文を唱えて、安心を導こうとする。制服も、ダイエットも、援交も、「フツー」であろうとする結果だ。鳥飼茜は、そんな「彼女たち」の個々の心の叫びに耳をすます。「彼女たち」を救えると鳥飼は思っていない。なぜなら「私はあなたではないから」。だから「あなたのとなりで私は私を救う」。それが「私たちは私たちを救える」のだと、「あなた」の隣で鳥飼は囁く。鉛筆画で描かれた、これは「あなた」の、そして「私」の物語。2018/10/14
江藤 はるは
12
「どうでもいい」とかそんな言葉で汚れた心 今放て2020/02/21
かやは
11
ペン入りしていないような絵柄。フォントも手書きなのかな?こういうのがあるのかな?漫画という形態の詩集のようだと思った。鳥飼さんの漫画は何冊か読んでいるけど、正直あまり共感することはない。けれどもすごく面白いし、登場人物の抱える痛みが伝わってくるのが好きだなあって思う。私はきっと、運良く傷付かない人生を送ってこれた人間だ。だからこそ、傷跡を持つ人のその模様を美しいと感じてしまうんだと思う。勝手な話だけれども。
二人娘の父
6
私が読んでよかったのだろうかと、反省してしまった。2022/08/14
しい☆
4
あーまたすごい本に出会ってしまった。この本を世の中へ送り出してくれて本当にありがとうって気持ち。2019/02/20