さよなら、サイレント・ネイビー―地下鉄に乗った同級生

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087813685
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

出版社内容情報

選考会騒然、評価二分。第4回開高健ノンフィクション賞受賞作。衝撃のノンフィクション・ミステリーの登場!

日本を貫く隠蔽と沈黙の連鎖。これで”美しい国”と呼べるのか?
地下鉄サリン実行犯と東大助教授。現役東大助教授・伊東乾が存在をかけて追いつめた「同級生の大罪」。親友ふたりの運命を分けたものとは?裁かれるべきは、はたして誰なのか。事件の本質に迫る新しいノンフィクション。

「誰かが黙って責任を取る」これをずっと繰り返しているから、1945年も、1995年も、そしていまも、何一つ本当は裁かれないし、日本は何一つ変わらない──(本文より)

内容説明

サリン実行犯と東大助教授親友2人の運命を分けたものは?第4回開高健ノンフィクション賞受賞作。

目次

第1部 出来事(苦行―中目黒発・東武動物公園行;筋書―アリジゴクの仕掛け;創発―行為は気づきに先立つ ほか)
第2部 証言(拉致―騙された罪の重さ;調教―現象と詐術の接木;麻酔―窒息するニューロンたち)
第3部 伝言(手紙 さよなら、サイレント・ネイビー)

著者等紹介

伊東乾[イトウケン]
作曲家=指揮者。1965年1月27日東京生まれ。作曲を松村禎三、近藤譲、故松平頼則、高橋悠治、ピアノを石黒晶、チェロを故橘常定の各氏に師事。第一回パシフィック・ミュージック・フェスティバルで、故レナード・バーンスタイン、ルツェルン音楽祭アカデミーでピエール・ブーレーズに指導を受ける。東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程中退、同総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程修了。Ph.D。90年第一回出光音楽賞、93年東京都制五〇周年国際管弦楽作曲コンクール第一位など受賞。97~99年テレビ朝日系列「新題名のない音楽会」音楽アドバイザー、この間98年、故ジョン・ケージの遺作「オーシャン」管弦楽監督としてニューヨーク、マース・カニングハム舞踊団と共演。2000年より東京大学大学院情報学環助教授(作曲=指揮・情報詩学研究室)。読売新聞東京本社、読売日本交響楽団などの協力による「アート・テクノロジ・ブレイン」レクチャーコンサートシリーズ、松下電機産業、島津製作所の技術協力によるメディア・マインドコントロール脳機能可視化測定、それらの結果を生かした広島・長崎原爆投下六〇周年平和祈念行事など、基礎研究と演奏、創作、教育を横断するプロジェクトを展開。「こども平和タスクフォースCAPITO」代表。『さよなら、サイレント・ネイビー―地下鉄に乗った同級生』で、第4回開高健ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

扉のこちら側

40
初読。犯罪抑制のためには厳罰より、犯罪が起きた背景や過程の研究が必要という内容はよいのだが、著者の自分の経歴アピールとか、ノンフィクションなのに架空の相棒とか、その二人の語り等、読んでてイライラしてしまう点も。2008/07/12

扉のこちら側

33
再読。2014年481冊め。地下鉄サリン事件実行犯の同級生が語るノンフィクション。2014/07/12

松本直哉

18
地下鉄サリンは、自分と関係ない特別な人が起した特別な事件だったのではない。加害者と被害者をわかりやすい二項対立にしたててオウム=絶対悪のレッテルを貼るのはたやすいが、そこで思考停止すれば悲劇はまた繰り返されるだろう。村上春樹のインタビュー本を厳しく批判しながら、親しい友人でもあるサリン事件の犯人を理解し赦そうと試みる。「処刑は儚い。赦しは重く、そして、強い」というルワンダ大虐殺の証言者の言葉が重く心に残る。洗脳はオウムの専売特許ではなく、旧日本軍も、ナチスも。そしてもしかしていまの我々も、日々。2015/02/20

エリ本

8
東大理学部物理学科に在籍していた豊田亨(地下鉄サリン事件実行犯の一人、平成30年死刑執行)の同級生が著者。「再犯防止」のため、どんなささいな事でもいいから語ってほしいと最後まで願った渾身の一作。多くを語らなかった豊田被告の裁判中のメッセージは心にせまるものがあった。「開高健ノンフィクション賞」受賞作品。2023/09/15

すん

7
サイレントネイビーは帝国海軍の事で、この本では黙って任務を遂行し、失敗してもあれこれ言い訳せず黙って責任を取るのが良いとする日本社会を指している。関係者も第三者も全員、臭い物に蓋をして禊を行ってしまう日本人の性質が戦前から変わって無いがいい加減そういう事はやめようというのが著者の主張。何故オウムがあれ程の人材を集めれたのか、あのような事件が起きてしまったか、1つの説として参考になる本だった。情動や行為は気づきに先立つ。ストレスで脳は酸欠状態になり理性的に考えられなくなる。2020/03/08

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