約束の地で

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  • サイズ B6判/ページ数 252p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784087748789
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

北の地に、名もなき者たちの慟哭が響く――。

札幌での生活に疲れ果て、男は棄てたはずの故郷・浦河へ舞い戻ってきた。可愛がってくれた祖父は死に、妹も母も火事で亡くなり、折り合いの悪い父だけが山小屋に住んでいて、父は大金を持っているという噂が・・・(「ちりちりと・・・・・・)」。

憎しみ、哀しみ、愚かさ、やるせなさ…先の見えない日々を送る名もなき人々。それぞれの鬱屈は、やがて…。北海道を舞台に、生きることの暗部を描き切る、馳ワールドの新しい幕開けを告げる短編集。

内容説明

北の故郷に谺する、名もなき者たちの哀しみ…ここに始まる、より深き馳ワールドの新天地!珠玉の最新短篇集。

著者等紹介

馳星周[ハセセイシュウ]
1965年2月18日、北海道生まれ。横浜市立大学文理学部卒業。出版社勤務を経て、フリーライターに転身。書評家坂東齢人として「本の雑誌」などで活躍。96年、書き下ろし長編『不夜城』にて華々しく作家デビュー。97年、同作にて第一八回吉川英治文学新人賞を受賞。98年、『鎮魂歌―不夜城2』にて第五一回日本推理作家協会賞を受賞。99年、『漂流街』にて第一回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ririka

31
前から気になってた作家さん、読みたいのは違うタイトルだったけど、読んでみました。北海道を舞台にした5つの短編です。登場人物がリンクしている連作短編は面白く好きなのですが、内容はお金、介護、孤独、DV で虚しかったり、犬や猫が登場しても悲しくなったり、 人間の奥底にある気持ちが浮き出てるような このような事が起こるかもしれないと思える物語でした。嫌な気持ちを抱きつつちょっとドキドキしながら読み進めて読み終えた作品でした。2016/05/10

MINA

29
「どこでも一緒だー未来は無限にひらき、無限に閉じている。」『虚の王』を読んで以来著者のこと気になってこれて三作目。何となく意外。こういうどこにも行き場の無い哀し過ぎる連作ものも書くのだなぁ。まさかラストの話で″まこっちゃん″出てきたから最初に繋がるとは。鬼母の介護地獄、親の墓荒らし、愛情を知らず幻想に逃げ込んだ少年、弟からの強姦未遂、DV妻二人…救いがないな。でも嫌いじゃない。色んな形の暴力により出口を見失って彷徨う人々。つらいな。きっともう他にどうしようもなかったとしか思えないから余計に残念だ。2018/01/31

そうたそ

14
★★★☆☆ いつものノワールとはまた違った味の短編集。北の地に住む人々の抱える鬱屈とした感情、地方ならではの閉塞感にあえぎながら生活していく様が描かれている。書き手が違えば、救済をも描けそうなストーリーだが、本書での救いのなさはノワールの書き手である馳さんらしい展開。実際にその地に暮らす馳さんだからこそ書ける、丁寧な描写、北海道の持つ仄暗いイメージがよく伝わってきた。2020/07/22

ウメ

7
馳さん、良い意味で化けたなぁ。凍える北海道の地を舞台に、人の生き死にの絡む重い連作短編集。従来のノワール小説のみならず繊細な人間描写が上手い!賞が全てでは無いが、これで直木賞を受賞して欲しかったー。2013/12/20

いのうえ

6
地元から離れることのできない人たちの閉塞感がリアルで引き込まれた。2018/10/17

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