内容説明
身にしみる切なさ―。わたしがアル中?とんでもない!お酒だけならいつでも止められる。ヒロインは画家志望の若い女性で、大人の人生の出発において自立ということを志向しながら、しかし現実には職業を転々とし、あげく絵もうまくいかず、アルコール依存症になり、ホモ・セクシュアルの男性と同棲してかれに食べさせてもらう…。第21回すばる文学賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウラカタ
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本書は、アダルトチルドレン(アダチル)を彷彿とさせるキャラクター設定が秀逸です。主人公や登場人物たちは、一見普通の生活を送りながらも、幼少期の家族関係や過去のトラウマに深く影響されています。この背景が彼らの行動や心理に微妙な影を落とし、「なぜこのように振る舞うのか」という興味を抱かせます。特に、愛情への飢えや自己価値観の揺らぎが描かれる場面はリアリティがあり、共感を呼びます。細やかな心理描写や会話の中に、彼らの未熟さや成長の兆しが見え隠れし、アダチルのもつ複雑な内面が巧みに表現されています。2024/11/23
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