手紙

手紙

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  • サイズ A5判/ページ数 94p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784087724646
  • NDC分類 911.56

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

163
1984年刊行の詩集。詩人53歳の時。3篇の追悼詩が含まれる。その内の1篇「五月に」は寺山修司の葬儀で弔辞として詠まれたもの。そうか。寺山ともなれば、弔辞は谷川の詩が谷川自身に朗読されるのだ、と深く納得。それは死を悼むというよりは、謳歌した生の輝きを追想したものだ。しかし「五月よとどまれ」と詠われるリフレインには、明るさの中に悲しみがある。思えば、詩はいわば詩人からの「手紙」だ。そこでは日常の生活の中で見えなくなっている、あたりまえのことが詠われる。木々の形や色の煌めきが、その間を風が渡っていくことが。2014/08/13

lonesome

43
谷川俊太郎さんの詩を読みはじめてまだ日が浅い自分が持っている谷川さんのイメージは、照れ屋でユーモアがあってそれでいて時に淋しさを感じたり可愛らしい人という印象だ。けれどこの主に80年代前半の作の詩から編まれた詩集からはかっこいいキリッとした印象を受けた。そして、あとがきに書かれていた「詩が死に親しむことで生へ向かうものであることを、少しずつ私は信じ始めている」という言葉が、なるほど自分が読んだここ最近の谷川さんの詩と通じる部分なんだなあと垣間見ることが出来たように思う。2015/01/05

K(日和)

26
混声合唱とピアノのための「もうひとつのかお」に引用されている「接吻の時」「あなた」「もうひとつのかお」を読むために。詩集の中の一編として読むのと、音程とリズムが加わった次元の増えたメロディとして聞くのでは印象が異なる。彼らの詩からあの曲、あの広がりを産み出した鈴木輝昭さん。それだけの深みや広がりを内包した詩を書く谷川俊太郎さん。2018/01/11

はやしま

19
再読。年月を経て手紙に関する詩を集めたものと思い込んでいた。実は美容院のDMから地方紙に発表したものまで発表年月も掲載メディアも広い。それでもまとまった印象を受けるのは後書きで詩人自ら書いているように編集者の力量だろう。谷川さんの詩集は他もそうだけど、一冊一冊がコンセプトアルバムのよう。一方ベスト版のような詩集が読み進められないで積読本のまま。33編中冒頭2編(「時」「手紙」)は諳んじる程好き。弔詩(悼詩)3編あり(和田夏十、小泉文夫、寺山修司宛)。この頃から氏は詩で死と生をうたうことが多くなっている。2016/01/24

けい子

15
『手紙でしか言えないことがある』今では『メール ラインでしか言えないことがある』 確かにあります。伝えたいです。2016/06/27

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