出版社内容情報
梁山泊と金国は戦を続けるのか、講和するのか?
大軍をもって襲ってきた金軍を、梁山泊は撃退する。そして、宣凱が父を殺された金国へ単身、講和交渉へ乗り込む。一方、南宋は岳飛が着々と戦いの準備を進め、韓世忠が水軍強化に勤しんでいた。
内容説明
秦容、替天の夢から醒め、南翔して新たなる翼を探す。宣凱、青竜の刃を胸奥に秘め、極北に父の墓所を単身訪なう。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年唐津市生れ。中央大学法学部卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞、2004年『楊家将』で吉川英治文学賞、06年『水滸伝』全19巻で司馬遼太郎賞、07年『独り群せず』で舟橋聖一文学賞、11年『楊令伝』全15巻で毎日出版文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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レアル
82
かつて活躍し死んでしまった多くの仲間たちを思い出させてくれたこの巻。それぞれの次世代の漢たちが先輩たちを思いながら、これからどうやって梁山泊を盛りたてるのかを思案し進もうとしている。その梁山泊は金国と講和。全権を任された宣凱の気持ちはどういうものだったのか。。秦容も秦容で、どうして軍を退いて開拓なんてことを~♪とハラハラ。。梁山泊はどこへ向かおうとしているのか!2015/04/15
榊原 香織
56
全17巻の3 天性の将軍の器、秦容が、なんと、若いのにさっさと軍を引退して、未開の地、南(ベトナム?)へ行ってしまう。 畑を開墾して、幻の甘藷畑を作るんだそう。 この時代、砂糖はまだ未知の物。2022/02/19
ヨーイチ
36
岳飛伝はよしておこう、と思っていた。そりゃ読めば面白いに決まっているし、水滸伝時代からの思い入れを刺激してくれるし。ここまで読んで主人公の岳飛が楊令を継承して軍人として雄飛していくことが予想できる。新しい時代になり水滸伝の子供達が其々の新しい道を歩み始める。南方の開拓なんてのもあるし、放浪の笛吹きとか親達が目を回すような展開も。強大な敵が無いということは、軍人組織もそれなりの在り方が求められるってことなのだろう。2019/05/20
maito/まいと
24
非常に大きな大きな変動が起きた巻。呉用から梁山泊を託された宣凱、自身の慢心から生死を彷徨い、思わぬ出会いとつながりを得る王貴、純粋さと想いを込め続ける王清など新しい世代が躍動している梁山泊陣営は、切なさと甘酸っぱさと若さで、読んでいてエネルギーをもらい、吸い取られる気分になったわ(笑)史進や李俊の寂しさもあり、秦容の旅立ちあり、と変わらなきゃいけないんだな、としんみりする一幕も。その一方で(ある意味穏やかな)日々が綴られる岳飛陣営、平和だなあ。が、梁山泊と金の講和によって、金VS南宋は目前だ!2013/02/19
巨峰
21
いろいろ納得の展開。秦容は、そうだろうなあと。南の開墾に魅力があるかは、疑問ではあるが。梁山泊が一歩下がり、岳飛が前にでてくるのだろうか。南宋と金の激突は史実通り。では、梁山泊の英雄たちはどうするのだ。2012/11/24