わたしの蜻蛉日記

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  • サイズ B6判/ページ数 314p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087713237
  • NDC分類 915.33
  • Cコード C0095

内容説明

美しく聡明な姫君は、名門藤原氏の子息に見初められ、誰よりも幸せになるはずだった―。瀬戸内寂聴が読み解く、私小説の元祖。

著者等紹介

瀬戸内寂聴[セトウチジャクチョウ]
1922年徳島生れ。東京女子大卒。63年『夏の終り』で女流文学賞受賞。73年得度、法名寂聴となる。92年『花に問え』で谷崎潤一郎賞受賞、97年度文化功労者に選ばれる。98年『源氏物語』の現代語訳を完成させ、寂聴&源氏ブームに。2001年『場所』で野間文芸賞受賞、06年度文化勲章受章。08年坂口安吾賞受賞。源氏物語千年紀賞名誉実行委員長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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椿

7
ちゃんと、蜻蛉日記を読んだ事がなくて。てっきり現代語訳だと思い込んでたら解説本だったけど、面白かった。これまでは、蜻蛉日記って、夫の浮気に苦しむ妻の恨みつらみや切なさや哀しさが書いてあるものだと考えていたけど。夫の兼家が、藤原氏のトップの家柄で豪放磊落なのに細やかな気遣いもできて、魅力あふれる人物だったことが、よく分かってしまった。それに、道綱母が才色兼備でプライドが高くて、幸福なことはすぐに忘れるけれども、辛く苦しかったことはいつまでも忘れない性格だったということも。蜻蛉日記、読んでみよう。2015/09/27

あかくま

5
『月の輪草紙』で、瀬戸内さんの蜻蛉日記に対する評価が高かった理由を知りたくて、本作を読んだ。純文学の私小説の元祖であり、「日記」と名はつくが、初めから読者を意識し、読むに足るものを書こうという自負を持って書かれたこのひとの人生の「物語」が蜻蛉日記だということである。道綱母は生き辛かったろうね。可愛げがなくてプライドが高くて、どうしようもなく兼家を愛しちゃっていて。「あなたが一番だ」と言われることでは満足できない。あなただけを愛している、と言われることが、彼女の望みなのだから。 2013/05/13

みかん山のみかん

5
蜻蛉日記懐かしい。再読しようと読み始めたら、どうも昔読んだ時となんか、味わいが違うような・・・もしかして、昔読んだのは田辺聖子さん訳のものだったかもしれない。 兼家が仕立て直しを頼んだ着物は男物か女物かと、解釈に迷うという所を読んでそれは確信に変わった。それにこの書は蜻蛉日記の中巻で終わっているとのこと。牡丹と白百合どちらが好みって聞かれても困るけれど、聖子さんの方も探し出して、もう一度読もうかな。 2013/03/16

ちよこら

3
寂聴氏による蜻蛉日記解説本。 現代語訳ではなかったのでちょっと拍子抜けしたが、作者に対する少し突き放した、けれど同情に満ちた解説は、とても染みた。 プライドばかり高く、私はもっと幸せになって良いはずなのに、もっと大切にされるべき女なのに、と嘆いて拗ねて、不幸せの沼にずぶずぶ嵌っていく女。自分の中にも確実にいる女。幸せを幸せと認めない意固地さが身につまされる…。2014/11/04

natu

2
当時では一夫多妻制は当然のもの・・・とはいっても妻側としてはそう簡単に割り切れるものではなかったのでしょうね。プライドの高い作者は特に生きにくく苦しかったのではと思います。他の女性に対する嫉妬や憎悪、兼家に対する依存など蜻蛉日記からはそれがひしひしと伝わり、どの時代も習慣や文化が今と違えど人々の心の有様は同じだと思えました。浮気されれば苦しいし、相手が憎くてしかたない、拗ねてみてなんとか相手を困らせたい!と思うのは当然ですね。ただ道綱が不憫すぎて・・・。2013/09/22

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