女三人のシベリア鉄道

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087712889
  • NDC分類 911.162
  • Cコード C0095

内容説明

与謝野晶子、宮本百合子、林芙美子―近代文学を代表する女性作家たちの足跡を追い、著者はウラジオストクからモスクワ、パリまでの鉄道を完乗。勇敢な女たちのエネルギーに思いを馳せ、現地の人々の声に耳を傾けながら、旧社会主義国の重い歴史を体感する。評伝×鉄道が合体した傑作ノンフィクション。

目次

第1章 ウラジオストクへ
第2章 バイカルの畔にて
第3章 エカテリンブルクのダーチャ
第4章 「道標」のモスクワ
第5章 東清鉄道を追って
第6章 夜汽車でワルシャワ、ベルリンへ
第7章 パリ終着の三人
あとがき 旅を終えてから

著者等紹介

森まゆみ[モリマユミ]
1954年東京都文京区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。地域雑誌「谷中・根津・千駄木」を84年10月に創刊。98年、『鴎外の坂』で芸術選奨文部大臣新人賞受賞。03年、『「即興詩人」のイタリア』(講談社)でJTB紀行文学大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

37
9年前購入の読みかけ本。再読し判明。”シベリア鉄道”という単語に釣られ手にしたが、中味は近代文学に名を残した女性の評伝。文学方面、素養なく挫折したらしい。与謝野晶子、宮本百合子、林芙美子の三人は明治末から昭和初期にかけ、それぞれシベリア鉄道でモスクワやパリに旅している。著者もその旅路を辿りながら三人の人生、文学について語る。当時の才能ある女性にとって、文学は数少ない活躍の場であったに違いない。それにしても百合子が恵まれた階級の出自という皮肉や、晶子の恋の闘いと多産(13人)に驚き。鉄分少なし注意。2018/08/10

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

31
森まゆみ氏がシベリア鉄道でパリに向かうルポルタージュ。同じく戦前にモスクワやパリに向かった、与謝野晶子、宮本百合子、林芙美子の足跡をたどる旅である。車中での苦労や、途中下車して泊まったホテル、彼女達の見たモスクワと、森氏の見たモスクワ。一週間あまりの旅は辛そうだが、生きている間に一度行きたい。第二次世界大戦に起こった事をたどったりスターリンの粛清、ポーランドやベラルーシの悲劇も書かれていて、歴史を知る事はこれらの愚かな悲劇も知る事である。作者はかなりこたえたようである。2019/03/20

ヴェネツィア

15
読んでいる途中も、読後感もとても良かった。与謝野晶子、中條(宮本)百合子、林芙美子の3人はそれぞれにシベリア鉄道でパリ(百合子の目的地はモスクワだったが、パリにも足を伸ばしている)に向かう。その間の、そしてパリでの3人を、それぞれの日記や短歌、小説から追想したエッセイ。作者の森まゆみ自身もシベリア鉄道でパリにたどりつくのだが、これらの3人に寄せる筆者の共感はしみじみと暖かく、彼女たちの人生や感性に寄り添っていく。2012/02/29

yamakujira

8
女性が3人でシベリア鉄道を旅する旅行記かと思ったら、過去に旅行した3人の女性の足跡を追う旅だった。その3人は、与謝野晶子、宮本百合子、林芙美子で、それぞれの作品を引用しながら、彼女たちの人生にも思いを馳せる。興味がない自分には文学的素養もないし、3人ともに決して好感が持てないから、つまらない話を延々と聞かされてる気分だったけれど、彼女たちの逞しさは感動的だね。バイカルアザラシもロシアデスマンもソデグロヅルも出てこないシベリアの旅、興味の対象が違うとかくも退屈なものなのか。 (★★☆☆☆)2017/09/14

ソバージュ

7
女三人旅の旅行記と思いきや、与謝野晶子・中條百合子・林芙美子が旅したシベリア鉄道を、著者と通訳兼ロシア女生徒との紀行文。旅行記は面白いのだが、随所に3名の説明や文章が入り、間には中国人生徒との長春・ハルビン紀行文も挟まれ、とても読みづらく疲れた。しかし随分ロシアの地理感はついてきたし、ハルビンには興味を持った。若い頃は鉄道旅を何度かしたものだが、シャワーも無い数日間かけてのシベリア鉄道旅は私は発狂してしまうだろうなあ。2019/02/16

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