内容説明
岳箭、紅挨炎雰を断ち、石礫は既に、飛燕ならず。童軍楊軍、参差交錯し、共に殲を期して死域に入る。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年唐津市生れ。中央大学法学部卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞を、85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞を、2004年『楊家将』で吉川英治文学賞を、06年『水滸伝』全19巻で司馬遼太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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納間田 圭
112
相まみえる合戦の場は…宋の領土のド真ん中。黄河と永済渠に囲まれた梁山泊。やばい…宋官軍:童貫の九万の軍勢がゆっくりと動き梁山泊に入ってきた。いや…梁山泊軍がわざと引き入れたのか⁉︎。防備を急ぐ…本寨:聚義庁。楊令の黒騎兵と史進の遊撃隊が…縦横に戦場を走る。そして張清と馬麟が…あっけなく逝ってしまう。さらにお気に入り扈三娘の哀しい戦死は…全身から力が抜けてしまった。しかし…本当の戦いはまだまだ序奏。月の光が…明日の戦場を冷たく照らし出している。もう何も考えない…ただ「替天行道」の旗だけは最後まで掲げよう…2023/05/07
榊原 香織
50
全15巻の8 佳人薄命、というイメージではないけど、無駄に美人だった感、一丈青扈三娘2022/01/10
Y2K☮
33
今シリーズで最も心に沁みる巻。よせ、と花飛麟と共に呟き、すでに別のものとなった馬上の誰かを史進と並んで目に焼き付けた。どうにもならない。去る者が増えれば増えるほど、新世代が重荷を担って急成長。責務に耐えられねばそれまで。でも彼らにはできる。そういうものだ。久々に楊令と言葉を交わしたあいつは嬉しかっただろう。昔はあんなに小さかったのに今や頭領。武器の使い方を教えた相手が自分を救ってくれる存在になった。そして新世代の中でも色々ある。李英。悪い奴じゃない。考え過ぎだ。他人と己を比較するな。お前はお前でいいんだ。2017/11/03
巨峰
29
終わりの気配を感じる。。。史進・楊令はどうなる。2009/03/03
さよちゃん
14
扈三娘と花飛麟の美男美女カップル誕生に喜んだのも束の間の扈三娘、戦死。ちょっとくらいロマンスがあってもいいじゃないですか。晁蓋を好きになって並んで馬を走らせただけが恋の思い出なんて、悲しすぎます。郭盛が、やっと大好きな楊令と二竜山の思い出話が出来たので、死亡フラグかと思ってビクビクしました。郭盛は殺さないで欲しいです。新しい登場人物では班光がお気に入り。史進に他の将校を「見習ったら」と言える度胸が素敵。蹴り倒されてもね(^^)。しかし、岳飛が好きになれなくて困ります。むしろ憎い。次はついに童貫vs楊令かな2013/02/07